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前回の記事では、うまい棒を1本ずつ買ったら消費税の取扱いはどうなるのか?という奇想天外な解説をしました。

今回は、平成16年4月以後廃止された「消費税の積み上げ計算方式」と、新しく導入された「総額表示方式」について解説したいと思います。

 

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積み上げ計算方式とは

積み上げ計算方式とは、旧消費税法施行規則第22条第1項の規定により認められていた売上げに係る消費税額(課税標準額に対する消費税額)の計算方法の特例、「税抜価格表示」を前提に決済段階で別途請求される消費税相当額の円未満の端数を処理した後の金額を基礎に積上げ計算を行うことが認められていました。

この計算方式は、不特定多数の消費者を対象とする小売業者等のレジでのお会計を念頭に設けられていましたが、少額の物品を大量に販売する量販店では円未満が切捨てられた消費税額の年間合計は相当な金額になるため、取り扱う商品の単価が異なる業種間での課税の公平性に欠けるという点が問題視されていました。

数値例
税抜価格5,000円の商品を年間10,000個販売する事業者の場合
1個販売した時の消費税額:5,000円×5%=250円
課税標準額に対する消費税額:250円×10,000個=2,500,000円
税抜価格50円の商品を年間1,000,000個販売する事業者の場合
1個販売した時の消費税額:50円×5%=2.5円→2円(円未満切捨)
課税標準額に対する消費税額:2円×1,000,000個=2,000,000円

 

このように、どちらの事業者も年間税抜売上高は5,000万円なのに、課税標準額に対する消費税額は年間50万円も変わってくることになります。(当時の5%の税率の場合)

そこで、平成16年4月より「総額表示方式」が導入され、これに伴い旧消費税法施行規則第22条第1項は廃止され、積み上げ計算方式により売上げに係る消費税額(課税標準額に対する消費税額)はできなくなってしまいました。

ただし、経過措置として事業者間取引に限っては積み上げ計算方式の適用が認められます。

これは、事業者間で取引をする場合は消費者に販売する場合と比べて1回の取引金額が大きく、取引の回数も少数のため切り捨てられる円未満の消費税額はあまり大きくならないからです。

 

総額表示方式とは

平成16年4月から導入された「総額表示方式」により、消費者に対する「値札」や「広告」などにおいて価格を表示する場合には、消費税相当額を含んだ支払総額の表示を義務付けられることとなりました。

ただし、事業者間で行う取引については、総額表示義務の対象となりません。

次に掲げるような表示が「総額表示」に該当します。

総額表示の具体的な表示例
10,800円
10,800円(税込)
10,800円(税抜価格10,000円)
10,800円(うち消費税額等800円)
10,800円(税抜価格10,000円、消費税額等800円)

なお、現在は税率引き上げの過渡期であるため、消費税転嫁対策特別措置法により、平成25年10月1日から平成33年(2021年)3月31日までの間は総額表示義務の特例として「現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置」を講じていれば税込価格を表示することを要しないこととされています。

誤認防止措置の具体例として、以下のような表示方法が認められています。

表示例1

値札、チラシ、ポスター、商品カタログ、インターネットのウェブページ等において、商品等の価格を次のように表示している場合は、総額表示でなくても大丈夫です。

表示例

(出典:国税庁 タックスアンサーNo.6902「総額表示」の義務付け)

表示例2

個々の値札等においては「○○円」と税抜価格のみを表示し、別途、店内の消費者が商品等を選択する際に目に付きやすい場所に、明瞭に、「当店の価格は全て税抜価格となっています。」といった掲示を行っている場合は、総額表示でなくても大丈夫です。

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