2019年の所得税の確定申告期限まで残りあとわずかとなりました。

この時期になると毎年思うのですが、いまだに申告書に押印が必要なのって、すごく無駄だと思いませんか?

電子申告をしている場合は押印は不要ですが、書面で申告をしている方にとっては尋常じゃないストレスだと思います。

基本的に、書面の申告書は押印がなければ税務署に受理してもらえません。

確定申告シーズンに税務署でさんざん待たされたにもかかわらず押印がないため受理されず、家にハンコを取りに帰ってからまた行列に最初から並びなおさなければならなくなったときの絶望感は言葉では言い表せません。

正直、いちいち印鑑なんて押すくらいなら代わりにハナクソでもつけておいた方がよっぽど有意義だと思います。

印鑑なんて、ありふれた名字のものは100円ショップでも売っていますし、印鑑の窃盗があった場合などは本人以外の第三者が押印することもできるため、後で本当に納税者本人が押印したのかどうかを検証することは困難です。

しかし、押印に代えてハナクソをつけておけば、干からびたハナクソの表面から採取した鼻粘膜のDNAをNASAとかが本気で鑑定を行うことにより本人を特定することができるため、第三者による不正な申告手続を防止するとともに税務行政の円滑な執行と国民経済の健全な発展に寄与することとなります。

少々表現が下品になってしまいましたが、要するにいまだに残る押印制度の存在価値はハナクソ以下であるということです。

今回は、行政手続きの場面における日本独特の押印制度の是非について考察したいと思います。

 

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申告書の自署押印義務

法人税法や地方税法においては、代表者と経理責任者の両者の申告書への署名押印が義務付けられていましたが、2018年の税制改正により廃止されました。

ただし、国税通則法第124条第2項の規定において記名押印の定めがあるため、経理担当者の自署押印は不要となりましたが代表者の押印は依然として必要です。

2 税務書類には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が押印しなければならない
一 当該税務書類を提出する者が法人である場合 当該法人の代表者
二 納税管理人又は代理人によつて当該税務書類を提出する場合 当該納税管理人又は代理人
三 不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出する場合 当該総代
四 前三号に掲げる場合以外の場合 当該税務書類を提出する者

税理士が関与する場合であっても、書面で申告書を提出する場合は委任納税者の自署押印が必要です。

なお、電子申告をする場合は提出者の署名押印は必要ありませんが、初めて電子申告を行う場合のe-Taxの利用手続きには1〜2週間程度かかるため、電子申告をまだしたことがない場合は、結局は印刷した申告書に押印して提出する方が早くなります。

 

押印がない申告書の効力

では、もし押印がないまま申告をしたら、その申告は無効とされてしまうのでしょうか?

この点については、平成27年4月1日の国税不服審判所裁決において以下のような見解が示されました。

納税申告書の効力については、押印がない場合であっても、単なる押印漏れであることも考えられるので、納税申告書として他の要件を具備している限り、押印がないことのみをもってその効力がないものとはいえず、このような場合には、当該納税申告書が押印のない者の申告の意思に基づいて提出されたものと認められるか否かによって、その効力を判断すべきである。

裁決要旨によると、押印がなくても申告書の効力は有効なんだそうです。

じゃあもうハンコ押さなくてよくね?と心の底からツッコミを入れてしまいました。

押印が必要とされている主な趣旨は、申告書が納税者本人の意思によって提出されたものであることを確認するためです。

昔は本人であることを確認する手段が印鑑くらいしかありませんでしたが、現在は本人確認書類の写しの提出やマイナンバーの記載により十分本人確認は可能であるため、押印の必要性は薄れているといえます。

むしろ鼻粘膜のDNA情報を採取できるハナクソの方がはるかに検証可能性に優れています。

 

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印鑑廃止法案は業界の反対で見送りに

税法に関する法案ではありませんが、今国会で行政手続きのオンライン化を目指すために、法人を設立する際の押印義務を廃止する法案が提出される予定でしたが、印鑑業界の猛反発により法案の提出は見送られることとなりました。

「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」という謎の議員団体のアツい要望により晴れて廃案となったそうです。

そのおかげで今後も引き続き設立登記の際はいちいち印鑑を押さなければないことが決定いたしました本当にありがとうございました。

なにやらズブズブに絡んだ利権の匂いがプンプンとしそうですが、花粉症でハナクソが詰まっている僕にはわかりません。

ちなみに、「日本の印章制度・文化の既得権益 を守る議員連盟」の会長を務めているのは自民党衆議院議員(山梨)の中谷真一氏です。

Twitterの返信欄には、記事で紹介するのははばかられるような熱いメッセージがたくさん寄せられています。

 

まとめ

我が国には印章制度という誇り高き文化が存在するため、押印が不要な行政手続きが普及するまでには、ずいぶんと遠い道のりになりそうです。

書面による納税申告書を提出する場面においても、押印の義務が廃止されることは当面の間ないかと思いますが、誇り高き印鑑文化を守るためにはやむを得ないことであります。

 

(※)お詫び等

今回の記事は押印制度の面倒くささに対する私怨から思わず下品な表現が多くなってしまいました。

読んでいて不快に思われた方がいましたら、この場を借りてお詫び申し上げます。

もしご批判をいただいた場合は真摯に受け止め、文中の表現は「ハナクソ」ではなく「目クソ」や「耳クソ」あるいは「糞」などの他の表現に改めさせていただきます。

なお、最後に誤解がないように言っておきますが、この記事は「まるで印鑑文化なんてなくなればいいと言っているみたいだ」と思われたかもしれませんが、「みたい」ではなく、そう言っているのであるということを申し添えておきます。

 

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