香川県ゲーム規制条例案のパブコメを送ったのに全然反映されていない件について

香川県で、18歳未満のゲームやスマートホンアプリの使用時間を制限する条例の制定が検討されています。

この条例では、18歳未満の子どものゲーム利用時間を1日60分、学校休業日は90分を上限の目安とし、保護者には子どもに順守させるよう求めています。また、ゲームやスマートフォンアプリを提供する県外の事業者にも、香川県民がゲーム依存症に陥らないための措置を講じるよう義務付けられています。

一問一答シリーズ(消費税法 無敵の一問一答、基本の一問一答)については、ユーザーの大半は税理士や公認会計士などの資格試験の勉強をしている社会人か大学生ですが、中には商業高校などで税務・会計の勉強をしている十八歳未満の高校生もいるかもしれないため、僕の作ったアプリも条例の規制対象になる可能性があります。また、消費税率判定トレーニングについては、軽減税率を判定するクイズゲームなので子どももプレイしている可能性は十分あり、場合によってはアプリのプログラムに必要な対策を講じる必要性が出てきます。

そのため、この条例については以前から注視していましたが、なにやら香川県議会が是が非でもこの条例を可決させようとしている様子に危機感を覚え、アプリ販売事業者の立場で1月末に行われたパブリックコメントに意見を送りました。

僕自身もともとゲームっ子だったこともあり、この条例の制定には絶対に賛同できないと思っていたため、とりあえず反対の立場だけでも示そうと1~2行くらい軽く書いて送ろうと思っていたのですが、書いているうちにだんだん筆が乗ってきて、気づけばかなりたくさんのコメントを書いていました。

これだけたくさん書いたのだから、しっかり読んでもらえたのだろうと思っていたら、びっくり仰天!

なんと条例の検討委員である議員でさえパブリックコメントの全文は読むことができないのだそうです。

条例が採決される日の前日になって、ようやくパブリックコメントの意見を要約した「概要」が公表されただけです。全文については県議会議員の誰一人見ることはできないそうです。じゃあ一体なんのためのパブリックコメントなのか・・・。

そこで、僕自身はパブリックコメントを送った張本人なので、自分が送った意見が公表された「概要」にどれくらい反映されているかわかるので答え合わせをしてみたところ、なんと半分くらいしか反映されていませんでした。

今回は、僕が香川県に送ったパブリックコメントの内容をすべて公開する内部告発的な記事を書こうと思います。

 

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香川県が公表した意見の概要

香川県が公表した意見の概要(=「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方」)は、以下から開くことができます。

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方【総括・目次・第1 賛成のご意見等の概要】(pdf形式 201 KB)

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方【第2 反対のご意見等の概要(~第9条関係)】(pdf形式 2744 KB)

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方【第2 反対のご意見等の概要(第10条関係~その他(手続き関係))】(pdf形式 3243 KB)

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方【第3 提言等の概要】(pdf形式 162 KB)

ページ数にすると、賛成意見についてまとめたページ数は1枚、反対意見についてまとめたページ数は81枚です。

全国の個人・団体から2615件の意見が寄せられたうち、84パーセントにあたる2269件が「賛成」だったのに、賛成意見のページ数と反対意見のページ数がこれだけ違うのはなんとも不思議ですね。

 

香川県に送ったパブリックコメントへの意見

僕が香川県に送ったパブリックコメントへの意見をすべて公開します。(所在地、電話番号のみ○○として伏せさせていただきます。)

黒字部分は上記の「概要」に反映されていた内容、赤字部分は公表された「概要」のどこを見ても反映されていなかった内容になります。

パブリック・コメントへの意見

(香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案について)

 

1.意見提出者

① 事業者名:税創舎

② 記入担当者:川上悠季

③ 所在地:○○○○○○○○

④ 電話番号;○○○○○○○○

⑤ 事業内容:書籍出版・スマートホンアプリ販売

 

2.意見

香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)の創設に反対する。

 

3.理由

① 条例素案第11条第3項の規定は香川県外の事業者に対してもゲーム依存症対策を講じるための努力義務を課すものであり、明らかに属地主義の原則を逸脱している。地方自治体の条例は、地方自治法第2条第2項の規定により、当該自治体の内で属地主義を採ることとされていることを鑑みると、素案第11条第3項の規定は不適切なものであると考えられる。

 

② たとえ罰則は設けられていなかったとしても、条例として制定されている以上ゲームを制作・販売する事業者にとっては法令遵守を徹底すべく、香川県民に対する利用時間規制や警告表示・通信制限などの一定の対策を講じなければならないため、事業者にとっては多大な負担となる。条例が制定されたら、香川県民からの電話やメールによる問い合わせなどに対するサポートが必要となり、事業者自身の自主性に依拠しないところで費用が発生するため、本来であれば不要な損失を被ることとなる。罰則もなく実効性が極めて乏しい条例素案は、いたずらに事業者の負担を増大させるだけであるため廃案とすべきである。

 

③ ゲームやスマートホンアプリの中には、単に娯楽に供するものだけでなく、学習のために役立つものもある。現に、私が販売しているスマートホンアプリは税務・会計分野に関する専門的な内容をクイズゲーム感覚で楽しく学習できるようにと考えて制作したものであり、一律にゲームやスマートホンアプリのプレイ時間を規制することは子どもたちにとっての学習ツールのひとつを奪うことになり、ひいてはこのような学習効率化に資するゲームやアプリの開発者の努力を踏みにじることになるといえる。

 

④ 条例素案の作成にあたりどのような専門家から意見を聴取したのかが不明瞭であり、検討会の議事録も作成されていない状況で県民やゲーム事業者からの十分な理解を得ることはできない。また、条例検討委員会において議事録を作成する規定がないことそのものが問題であり、県民に条例の検討過程について納得してもらえるだけの資料がそろっているとはいいがたい。これほど県内外からも大きな注目を浴びている条例案であるため、今回は制定を見送り専門家からの意見調書や検討会の議事録を公開できるよう準備を整えたうえで再検討する必要がある。

 

⑤ ゲームのプレイ時間とゲーム依存症との関連の根拠が乏しく、プレイ時間を規制することがゲーム依存症対策につながるとは考えにくい。むしろ、プレイ時間を規制されることによりさらにゲームをやりたい欲求が大きくなり、親の目のつかないところでゲームをしたり、義務教育が終わり規制から解放されてからゲームにのめりこんでしまうおそれがある。そもそもゲーム依存症の定義や根拠に疑念があり、十分な説明がなされないまま条例を制定すべきではない。

 

⑥ スマートホンゲームなどの多くはアイテムなどに課金することによりプレイ時間を短縮できるよう設計されており、ゲームのプレイ時間の規制はむしろアプリ内課金を促すこととなるため、未成年者の過度な課金を防止する観点から見ても逆効果である。

 

⑦ ゲームを規制する本条例素案は、日本国憲法第19条に規定する「思想・良心の自由」を侵害するおそれがある。保護者の中には、子どもの自由を制限することなくのびのびと好きなことを好きなだけやらせたい教育方針の方やゲームを通じてe-Sportsなどの文化を伝えたいという教育方針の方もいるため、いくら罰則がないとはいえ条例でプレイ時間を制限するような規定を設けた場合、条例がこのような保護者の思想・良心の自由を侵害していることに他ならない。

 

⑧ ゲームやスマートホンアプリの使用時間を規制することにより、子どもたちに「ゲームやスマートホンアプリは悪いものだ」という潜在的な意識が植え付けられるおそれがある。ゲームが我が国の成長産業のひとつとして期待されている中で、このような潜在意識を増長させることは問題があるといえる。

 

⑨ 公園利用の厳格化などにより子どもの遊び場が年々減っている中で、自由にゲームをできる時間まで奪うような条例素案は子どもに対する虐待と言っても過言ではない。ゲームを規制する条例を作る前に、公園や広場などゲーム以外でも子どもが遊べる環境を整備すべきである。

 

⑩ そもそも、すでにゲーム依存症に陥っている(又は陥るおそれのある)青少年は、このような条例があってもその存在自体を知らないか、知っていたとしても条例をしっかり守ってプレイ時間を抑えるだろうとは到底考えられないため、本当に治療が必要な依存症患者に対してはまったく効果がない。一方で、ゲーム依存症に陥るおそれのない青少年に対して不要な規制を課すこととなり、実効性の観点から見て問題があるといえる。

以上です。

赤字部分の割合はだいたい半分くらいです。つまり、僕が一生懸命書いた意見の半分近くは議員の目に届くことなく採決が行われてしまうのです。

 

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県議会議員の誰一人全文を読まずに採決することへ

集められたパブリックコメントの意見は3月6日ごろには公表される予定だったのですが、予想以上に多くの意見が集められたため整理に時間がかかるとのことでいつまでたっても開示されませんでした。

香川県議会はパブリックコメントを意地でも公表しないつもりだったようですが、さすがにそれはおかしいと感じた議員も多いようで、なんと自民党と共産党が共同でパブリックコメントの全文開示を申し入れたそうです。

しかし、公開されるのは検討委員の議員に対してのみで、しかも条例の採決が終わったあとの2日間だけ、メモや口外は禁止という厳しすぎる条件付きです。これでは「公開」とはいえません。

何よりおそろしいのは、県議会議員の誰一人パブリックコメントの全文に目を通さずにこの条例の採決が行われるということです。

上記の赤字部分で示した内容は「概要」にも反映されていなかったため、条例を採決する議員の元にも届いていないことになり、せっかくパブリックコメントを送ったのに一切目を通されることなく条例が採決されてしまうということになります。

おそらく僕だけでなく、他のパブリックコメントを送った方の意見にも同様に反映されていない部分がきっとあると思います。

これは「意見の封殺」以外の何物でもありません。

 

香川の民主主義が死ぬ日

香川県がなぜここまでこの条例の制定に必死になっているのかわかりませんが、このままではほぼ間違いなく成立してしまうでしょう。

中には政治汚職や利権絡みの案件じゃないかと指摘する声もありますが、真相のほどは分かりません。

しかし、これほど反対意見も多い中で、立法事実や審議の過程が不透明なまま強行的に条例案を採決するのはあまりにも横暴であるといえます。

時代に思い切り逆行するようなこんな条例でも、それが「民意」に基づいて成立されるのであれば納得はできますが、香川県議会の状況を見ているとどうも首をかしげざるを得ません。

本当はこんな記事は書きたくないのですが、どうしても黙ってはいられませんでした。

 

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