確定拠出年金の拠出額・事務手数料に係る仕訳例と消費税の取引区分

この記事の内容は、2025年1月現在の最新の税制に対応しています。

この記事では、確定拠出年金の拠出額や事務手数料を支払った場合の仕訳例と消費税の取引区分について解説します。

 

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確定拠出制度とは

確定拠出制度の意義については、企業年金連合会のホームページで以下のように記載されています。

確定拠出年金(DC)とは、加入者ごとに拠出された掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度です。掛金額(=拠出額)が決められている(=Defined Contribution)ことから、確定拠出年金(DC)と呼ばれています。また、「掛金建て年金」とも言われます。

確定拠出年金には、事業主が掛金を拠出する「企業型年金(企業型DC)」と、個人で加入して本人が掛金を拠出する「個人型年金(iDeCo)」の2種類があります。

 

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掛金の拠出額は不課税

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

確定拠出年金の拠出額は、資産の譲渡等の対価として支払うものではないため「③ 対価を得て行うものであること」の要件を満たさず不課税取引となります。

 

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事務手数料部分は課税

確定拠出年金の事務手数料に関しては、これは確定拠出年金の契約事務や拠出額の管理等に係るサービスの対価として支払うものであるため、上記の課税の対象の4要件を満たします。

したがって、事務手数料部分は「課税仕入れ」となります。

なお、個別対応方式により区分経理をしている場合、確定拠出年金の事務手数料については会社業務全体に係る課税仕入れであり、明確に対応する売上げがないものなので「共通対応課税仕入れ」に該当します。

 

個人事業者の場合

個人事業者が確定拠出年金の拠出額や事務手数料は支払った場合は、事業とは関係ないプライベートな年金の積立にかかる支出であるため、上記の課税の対象の4要件のうち「② 事業者が事業として行うものであること」を満たさず不課税取引となります。

 

仕訳例

数値例
当社は、確定拠出年金の拠出額50,000円を普通預金口座から支払った。

確定拠出年金の拠出額は、仕訳上「退職給付費用」又は「福利厚生費」として計上します。消費税の区分は不課税取引となります。

確定拠出年金の拠出額の仕訳

数値例
当社は、確定拠出年金の事務手数料20,000円を普通預金口座から支払った。

確定拠出年金の拠出額は、仕訳上「支払手数料」として計上します。消費税の区分は共通対応課税仕入れとなります。

確定拠出年金の事務手数料を支払った場合の仕訳

数値例
個人事業者甲は、個人型企業年金(iDeCo)の掛金20,000円を普通預金口座から支払った。

個人事業者が個人型企業年金の掛金を支払った場合は、授業とは無関係なものであるため「事業主貸」として処理し、消費税の課税対象にもなりません。

個人事業者が個人型企業年金の掛金を支払った場合の仕訳

 

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