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旅行にツアーで行く場合は、添乗員が観光案内をしてくれます。

添乗員は、旅行会社の人がしていると思っている方も多いかもしれませんが、実は旅行に同行する添乗員のほとんどは人材派遣会社から派遣されたスタッフです。

旅行会社は添乗員の派遣料を人材派遣会社に支払うこととなります。

旅行会社が派遣会社に支払う人材派遣料は、海外旅行ツアーの場合は国内における課税仕入れになるのでしょうか?

今回は、海外旅行に同行する添乗員の報酬の消費税の取扱いについて解説します。

 

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課税の対象の4要件

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

役務の提供が「① 国内において行うものであること」の要件を満たすかどうかは、役務提供が行われた場所が国内であるかどうかにより判定します。

海外旅行ツアーの同行に係る役務提供が国内取引に該当する場合は、派遣料支払額は国内における課税仕入れに該当し、国内取引に該当しない場合は不課税仕入れとなります。

 

海外旅行の添乗員の派遣に係る内外判定

国税庁の質疑応答事例において、海外旅行の添乗員の派遣に係る内外判定について、次のような記載があります。

【照会要旨】
旅行業者が人材派遣会社から海外旅行の添乗員やツアーコンダクターの派遣を受けた場合、当該人材派遣会社から受ける人材派遣に係る役務の提供は国内取引に該当し、課税仕入れとなるのでしょうか。

【回答要旨】
人材派遣に係る役務の提供の内外判定は、当該人材派遣に係る派遣社員の行う役務の提供の場所により判定を行うこととなり、照会の場合には、人材派遣会社から派遣される添乗員又はツアーコンダクターの行う役務の提供が国内において行われているかどうかにより判定することとなります。
この場合、当該添乗サービス等が海外現地のみで行われるものか、出国から帰国まで一貫して行われるものかによってその取扱いが異なることとなります。

したがって、海外旅行の添乗員の派遣料については、添乗員が海外現地のみ同行するか、出国から帰国までずっと同行するかによりその取扱いが異なります。

 

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海外現地のみで行われる添乗サービス等である場合

海外現地のみ同行

添乗員が旅行先の海外現地のみで添乗サービスを行う場合は、役務の提供が行われるのは国外のみであるため、国外取引に該当します。

したがって、旅行会社が人材派遣会社に支払う派遣料は不課税仕入れとなり、国内における課税仕入れには該当しません。

 

出国から帰国まで一貫して行われる添乗サービス等である場合

出国から帰国まで同行

では、添乗員が出国時から帰国時までずっと添乗する場合はどうなるでしょうか?

この場合は、添乗員は国内でも国外でも添乗サービスを行っていることになるため、役務の提供が国内及び国外にわたって行われる場合に該当します。

役務の提供が国内及び国外にわたって行われる場合の内外判定については、消費税法施行令第6条第2項第6号において次のように規定されています。

六 前各号に掲げる役務の提供以外のもので国内及び国内以外の地域にわたつて行われる役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らかでないもの 役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地

役務の提供が国内及び国外にわたって行われる場合は、その役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地が国内にあるかどうかにより内外判定を行います。

ここで注意すべきは、「役務の提供を行う者」とは添乗員の所属する人材派遣会社であるということです。添乗員サービスを行っているのは旅行会社ではありません。

したがって、添乗員の所属する人材派遣会社のその派遣に係る事務所等が国内にある場合は国内取引に該当し、旅行会社において派遣料支払額は国内における課税仕入れに該当することとなります。

一方、当該添乗員の派遣に係る事務所等の所在地が国外である場合は国外取引に該当し、派遣料支払額は旅行会社において課税仕入れに該当しません。

旅行会社の海外旅行ツアーに係る事務所等の所在地ではなく、添乗員の人材派遣に係る事務所等の所在地で国内取引の判定を行うことに注意しましょう。

 

まとめ

海外旅行に同行する添乗員の報酬の消費税の取扱いについてまとめると次のようになります。

海外旅行ツアーの添乗員の派遣料
海外現地のみ同行 → 課税仕入れ
出国から帰国まで同行(添乗員の派遣に係る事務所等が国内の場合) → 課税仕入れ
出国から帰国まで同行(添乗員の派遣に係る事務所等が国外の場合) → 不課税仕入れ

 

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