令和元年(2019年)10月1日の消費税率の引き上げに伴い、日本でも軽減税率の導入が検討されています。
現在すでに軽減税率が導入されているカナダには、「ドーナツ税」と呼ばれるカナダ特有のちょっと変わった面白い軽減税率の適用基準があります。
今回はカナダの「ドーナツ税」について、どのような制度なのかご紹介したいと思います。
カナダの消費税(付加価値税)の税制
カナダには、日本の消費税に相当する税として連邦付加価値税(GST)や州売上税(PST)、統一売上税(HST)と呼ばれる税金があり、税率は州や物品の内容により異なります。
食料品などの生活必需品については軽減税率が適用され、税率は0%となります。
ただし、軽減税率が適用されるのはテイクアウトの場合のみで、イートインの場合は軽減税率の適用対象となりません。
ドーナツ税とは
カナダには、一定の食料品については、6個以上買うか否かによって消費税(付加価値税)の軽減税率の適用の有無が変わってくるという制度があります。
国民的人気を誇るカナダを代表するドーナツチェーン店「Tim Hortons」でドーナツを購入する際にもこの基準が適用されるため、この税制の適用を受ける最も代表的な食品であるドーナツから名前を取って、俗に「ドーナツ税」と呼ばれています。
なお、ドーナツだけでなく、クッキーやマフィン、ケーキ、クロワッサンなども6個以上買えば軽減税率の適用を受けることができます。
なぜ6個以上なのか
カナダでは、軽減税率の適用の有無は「その場で食べきれる個数かどうか」で判断します。
ただし、食べられる個数は人それぞれ異なります。6個くらいペロリと食べられる人もいれば、3個くらいでお腹いっぱいになってしまう人もいます。
そのため、一定の線引きをする必要があるため、カナダでは「6個以上なら食べきれずに持ち帰るものとして軽減税率の適用あり」と定められました。
6個というのはなかなか絶妙なラインだと思います。僕もミスド等でドーナツはよく買いますが、空腹時でもちょうど5個くらいが限界な気がします。
たくさん買うと割安になるのは消費者としては嬉しいですが、ダイエット中に人にとっては悪魔のささやきのように感じられるかもしれません。
まとめると以下のようになります。
6個以上 → その場で食べきれない → テイクアウト扱いとなり軽減税率の適用あり
日本でも個数による線引きは導入されるのか
日本では、食料品の軽減税率の適用の有無は、お客さんの購入時の自己申告に委ねられることとされる予定です。
しかし、イートインで食べるつもりなのに「持ち帰ります」と言って軽減税率の適用を受けようとするお客さんも少なからずいるでしょう。
そのような人が増えることにより、レジ業務に支障が生じたり、他のお客さんからの不公平感が募れば、将来的にカナダのように購入個数による線引きが導入される可能性はあると思います。
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問題番号 | タイトル |
KS013 | ドーナツを10個イートインで注文した場合 |