皆さんは漢方薬はお好きでしょうか?
僕は苦いので嫌いです。
しかし、「良薬は口に苦し」と言うため、健康のためや病気の治療のために漢方薬を飲んでいる方も多いかと思います。
実は、漢方薬の購入金額については、消費税が8%になる場合と10%になる場合と非課税になる場合と3種類あることをご存知でしょうか?
今回は、漢方薬に係る消費税の取扱いについて解説したいと思います。
消費税が非課税とされる場合とは
国内で商品やサービスを購入する場合は、原則として消費税は課税されます。
しかし、消費という行為に対して課税する消費税の性格になじまないものや政策的な配慮から消費税が非課税とされているものもあります。
どのようなものが消費税の非課税取引とされているかは、消費税法別表第二に13項目が列挙されています。
この中に、「健康保険法等に基づく療養若しくは医療又はこれらに類するものとしての資産の譲渡等」というものがあります。
これはつまり、病院などにおける医療行為(社会保険医療の対象となるもの)には消費税を課さない(非課税となる)ということです。
まずは、この点を押さえておきましょう。
軽減税率が適用される場合とは
みなさんもご存知の通り、令和元年10月1日から税率制度が導入されることとなりました。
これにより、消費税は8%(軽減税率)と10%(標準税率)が混在することになりました。
軽減税率の対象となるのは、「飲食料品」と「定期契約購読に基づいて配送される週2回以上発行される新聞」ですが、「外食」や「お酒」、「医薬品等」に該当するものは軽減税率の対象品目から除かれています。
「医薬品等」とは「医薬品」「医薬部外品」「再生医療等製品」があるため、商品のおあっケージにこれらの記載がある場合は、食べたり飲んだりできるものであっても、軽減税率の適用対象となりません。
消費税10%となる漢方薬
パッケージに「医薬品」または「医薬部外品」といった記載がある漢方薬は、軽減税率の適用対象とならないため、消費税10%が課されることになります。
例えば、クラシエ薬品(株)が販売する「葛根湯エキス顆粒」には、パッケージに「第2類医薬品」と記載されているため「食品」には該当せず、軽減税率は適用されません。
また、興和(株)が販売する「キューピーコーワゴールドA」についても、パッケージに「指定医薬部外品」と記載されているため「食品」には該当せず、軽減税率は適用されません。
「医薬部外品」というのは、予防効果をうたったり、医薬品よりは緩和だが人体に何らかの改善効果をもたらすものをいい、これも軽減税率の適用対象外とされる「医薬品等」の範囲に含まれます。
消費税8%となる漢方薬
パッケージに「医薬品」または「医薬部外品」といった 記載がない漢方薬は、通常の飲食料品と同様に扱うため、軽減税率の適用対象となり消費税8%が課されることになります。
例えば、お酒を飲み過ぎた際に肝臓の働きを助けてくれることでおなじみの「ウコンの力」については、パッケージを見てみると「医薬品」または「医薬部外品」である旨の記載はありません。
裏面の表示を見てみると、清涼飲料水(ウコンエキス入り飲料)となっています。
したがって、ウコンの力のように、「医薬品」または「医薬部外品」である旨の記載がない漢方の栄養ドリンクは軽減税率が適用されます。
また、錠剤の形の栄養剤などであっても、「医薬品」または「医薬部外品」に該当しないサプリメントについて軽減税率は適用されません。
例えば、井藤漢方製薬の「しじみの入った牡蠣ウコン」は、錠剤となっており医薬品のように見えますが、「医薬品」または「医薬部外品」である旨の記載はない軽減税率は適用されません。
消費税が非課税となる漢方薬
病院で、社会保険医療の対象となる診療を受け、お医者さんの処方箋に基づいて処方される漢方薬については消費税は非課税とされます。
ただし、社会保険医療の対象とならない「自由診療」に基づいて漢方薬が処方された場合は消費税の課税対象になるので注意しましょう。
(参考)オブラートは消費税8%
漢方薬は苦いものが多いですよね。
しかし、漢方薬をオブラートに包んで飲めば、僕のように苦いのが苦手でも、苦味を感じることなく漢方薬を摂取することができます。
では、このオブラートには軽減税率は適用されるのでしょうか?
正解はYESです。
オブラートはデンプンで出来ており、体内に摂取しても問題なく消化されるものなので、「食品」として扱われます。
したがって、オブラートは医薬品を飲むためのものであっても、軽減税率が適用され消費税は8%となります。
まとめ
漢方薬は、市販のものを買う場合は、パッケージに「医薬品」または「医薬部外品」である旨の記載がある場合は消費税10%、これらの記載がない場合は軽減税率が適用されるため消費税8%となります。
病院で社会保険医療の対象となる診療に基づいて漢方薬の処方を受けた場合は消費税は非課税となりますが、自由診療に基づく場合は課税対象となります。
関連するアプリの問題
消費税率判定トレーニング
問題番号 | タイトル |
YK032 | 医師の処方箋に基づいて処方された社会保険医療対象の漢方薬 |
YK041 | 栄養機能食品に指定されている漢方エキス配合の栄養剤 |
YK042 | 第2類医薬品と記載されている葛根湯エキス配合の漢方薬 |