既報のとおり、新型コロナウイルス 感染拡大の影響を受けて、所得税、贈与税及び個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告期限・納付期限が令和2年4月16日まで延長されることとなりました。

仕事の関係で、平成27年に提出した申告書に基づく納付額が過大だった場合に更正の請求がいつまでできるのか調べる必要が生じたため、管轄の税務署の方に聞いてみました。

全国一律に申告期限が延長されるというのは過去に前例のないことなので、課税当局側でもドタバタしていて色々とまだ正式には決まっていないため、現時点では確実なことは言えないとのことでしたが、おそらくこうなるだろうという見通しを教えていただいたため記事としてまとめます。

本記事の内容は現時点(執筆日=令和2年3月9日)ではまだ正式に決定された取扱いでないことを了承の上でお読みください。

 

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更正の請求ができる期間

更正の請求とは、確定申告等にもとづいて納付した税金が多すぎた場合や、還付される税金が少なすぎた場合に、税務署に税金を還付してもらうよう請求することをいいます。

例えば、「確定申告にもとづいて税金を100万円納付したけど、計算ミスがあり正しい納税額は80万円だったため、納めすぎた20万円の還付を受けたい!」という場合や、「還付申告を行い40万円の還付をすでに受けたけで、計算ミスがあり正しい還付額は70万円だったため、さらに30万円の還付を受けたい!」という場合には、税務署に対して更正の請求を行うことにより、税金の還付を受けることができます。

この更正の請求ができる期間については、納付額が過大だった場合と還付額が過少だった場合とでそれぞれ異なります。

過大納付に係る更正の請求ができる期間

確定申告にもとづいて納付した税金が多すぎた場合に更正の請求ができる期間については、国税通則法第23条において次のように規定されています。

(更正の請求)
第二十三条 納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、十年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。
二 前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかつたとき。
三 第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。

上記の太字の部分で示したように、更正の請求ができる期間は、法定申告期限から5年以内ということになります。

例えば、×01年2月25日に所得税の確定申告書を提出した場合に、その確定申告の内容について更正の請求ができるのは、その確定申告に係る法定申告期限(×01年3月15日とする)から5年以内となるため、更正の請求ができる期間は×01年3月16日から×06年3月15日までとなります。

過大納付に係る更正の請求ができる期間

過少還付に係る更正の請求ができる期間

還付申告を行い還付を受けた金額が少なすぎた場合に、さらに還付を受けるための更正の請求ができる期間については、所得税、贈与税、消費税いずれにおいても、それぞれの基本通達の規定により国税通則法第23条の規定を読み替えて適用することとされています。

(還付等を受けるための申告書に係る更正の請求)
122-1 法第122条に規定する申告書についても、通則法第23条《更正の請求》の規定の適用があることに留意する。この場合において、同条第1項に規定する「当該申告書に係る国税の法定申告期限」とあるのは、「当該申告書を提出した日」と読み替えるものとする。

(還付を受けるための申告に係る更正の請求)
27-9 法第27条第3項に規定する申告書についても、通則法第23条の規定の適用があることに留意する。この場合において同条第1項に規定する「当該申告書に係る国税の法定申告期限」とあるのは、「当該申告書を提出した日」と読み替えるものとする。(平15課資2-1追加)

(還付を受けるための申告書に係る更正の請求)
15-3-1 法第46条《還付を受けるための申告》に規定する申告書についても、通則法第23条《更正の請求》の規定の適用があることに留意する。この場合において、同条第1項に規定する「当該申告書に係る国税の法定申告期限」とあるのは、「当該申告書を提出した日」と読み替えるものとする。

したがって、還付額が過少だった場合に係る更正の請求ができる期間は、還付を受けるための申告書を提出した日から5年以内ということになります。

例えば、×01年2月25日に所得税の還付を受けるための申告書を提出した場合に、その還付申告の内容について更正の請求ができるのは、その還付を受けるための申告書を提出した日(×01年2月25日)から5年以内となるため、更正の請求ができる期間は×01年2月26日から×06年2月25日までとなります。

過少還付に係る更正の請求ができる期間

 

平成27年に納付した税金が過大だった場合の更正の請求ができる期間は令和2年4月16日まで延長

本来なら、平成27年(2015年)3月16日が法定申告期限の所得税・贈与税の確定申告に基づく納付額が過大だった場合は、その確定申告の内容について更正の請求ができる期間は平成27年3月17日から令和2年(2020年)3月16日までの5年間です。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、令和2年の申告期限は4月16日まで延長されることになりました。

これに伴い、更正の請求ができる期間についても延長する方向で進められており、平成27年3月16日が法定申告期限の所得税・贈与税の確定申告に基づく納付額が過大だった場合に更正の請求ができる期間は平成27年3月17日から令和2年4月16日までとなるとのことです。

コロナウイルスの影響による過大納付に係る更正の請求ができる期間

 

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平成27年に還付を受けた税金が過少だった場合の更正の請求ができる期間の延長は、2月27日以後かどうかで異なる

令和2年の確定申告期限が延長されることが発表されたのは2月27日でした。

したがって、還付申告にかかる更正の請求ができる期限は、還付申告書の提出日が平成27年2月26日以前だった場合は延長されず、還付申告書の提出日が平成27年2月26日以後だった場合は令和2年4月16日まで延長されるとのことです。

還付申告書の提出日が平成27年2月26日以前だった場合

還付申告書の提出日が平成27年2月26日以前だった場合は、更正の請求ができる期限は報道発表のあった令和2年2月27日よりも前になるため、期限の延長はありません。

従来どおり、その還付申告に係る更正の請求ができる期間は、申告書を提出した日から5年以内となります。

例えば、平成27年2月25日に所得税の還付を受けるための申告書を提出した場合に、その還付申告の内容について更正の請求ができるのは、その還付を受けるための申告書を提出した日(平成27年2月25日)から5年以内となるため、更正の請求ができる期間は平成27年2月26日から令和2年2月25日までとなります。

過少還付に係る更正の請求ができる期間(平成27年2月26日以前に提出した場合)

還付申告書の提出日が平成27年2月27日以後だった場合

還付申告書の提出日が平成27年2月27日以後だった場合は、更正の請求ができる期限は報道発表のあった令和2年2月27日よりも後に到来することになるため、期限は令和2年4月16日まで延長されるとのことです。

例えば、平成27年3月5日に所得税の還付を受けるための申告書を提出した場合に、その還付申告の内容について更正の請求ができるのは、本来なら、その還付を受けるための申告書を提出した日(平成27年2月25日)から5年以内となるため、更正の請求ができる期間は平成27年3月6日から令和2年3月5日までとなります。

しかし、今年に限っては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、更正の請求ができる期間は4月16日まで延長されることになります。したがって、平成27年3月5日に所得税の還付を受けるための申告書を提出した場合の更正の請求ができる期間は平成27年3月6日から令和2年4月16日までとなります。

過少還付に係る更正の請求ができる期間(平成27年2月27日以後に提出した場合)

 

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