野球場のシーズンシートの購入費用の課税仕入れの計上時期はいつ?

みなさんは野球観戦はお好きですか?

僕は中日ドラゴンズのファンで、よくテレビで見たり、実際に球場に観戦しに行くこともあるのですが、残念ながら今年は新型コロナウイルスの影響で5月になった今でもプロ野球は開幕されていません。

実は、このプロ野球の開幕戦がいつ始まるかによって、企業の消費税の経理処理にも影響があることをご存知でしょうか?

今回は、野球場のシーズン予約席(シーズンシート)の購入費用に係る課税仕入れの時期の取扱いについて解説したいと思います。

 

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シーズン予約席(シーズンシート)とは

プロ野球にはシーズン予約席と呼ばれるものがあり、これを購入すれば指定された座席番号の席を購入者専用の座席として一定期間使用できます。

企業が事業活動のためにプロ野球のシーズン予約席を購入することがあります。例えば、取引先を接待するために購入した場合は「接待交際費」、従業員等の福利厚生のために購入した場合は「福利厚生費」として処理します。

この場合、シーズン予約席料の購入費用は野球の試合を観戦させる役務の提供の対価として課税仕入れに該当することになります。

ただし、特定の役員や従業員のために購入する場合は給与として扱われ、課税仕入れにはなりません。

 

シーズン予約者に交付される入場券は「物品切手等」に該当しない

プロ野球のシーズン予約者には試合ごとの入場券が交付されます。

この入場券はシーズン予約者であることを証する一種の整理券と考えるのが妥当であり「物品切手等」には該当しません。

 

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野球場のシーズン予約席料の購入費用の課税仕入れの時期

野球場のシーズン予約席料の購入費用に係る課税仕入れの時期は、現実に「役務の提供を受ける日」つまり「観戦をする日」となります。

したがって、原則として、野球場のシーズン予約席料の購入費用は、各球場のイベントカレンダー等を参考に、試合が開催される日数等に応じて課税仕入れを計上します。

例えば、6月末決算法人が野球場のシーズン予約席料を1年間(1月~12月)分の60万円で購入した場合において、1~6月までの試合日数が80日、7~12月までの試合日数が120日だった場合は、60万円×80日/200日=24万円を当期(1~6月)の課税仕入れとし、残額を翌期(7~12月)の課税仕入れとする按分計算を行います。

しかし、上記のような按分計算を行うのは手間がかかるうえに、野球の進行状況によっては延長戦となり試合の開催日数が増えたり、天候によって試合が中止になる可能性もあるため、正確に各期の課税仕入れの額を計算することができません。

そこで、野球場のシーズン予約席料の購入費用については、プロ野球の開幕日に全額を一括して課税仕入れとして計上することができます。

シーズン予約席料は、シーズン途中に解約しても席料が返金されることはないため、プロ野球の開幕日が接待等のあった日として交際費等に直接関連する行為が行われたものとして、法人税法上、交際費等として損金の額に算入されます。

消費税においても、シーズン予約者の入場券は物品切手等に該当しないことから、法人税法上の交際費等の算入時期に合わせて、プロ野球の開幕日において課税仕入れがあったものとして差し支えないものとされています。

 

2020年はシーズン予約席料の課税仕入れの時期に注意

2020年は、本来なら3月20日にセ・パ両リーグ公式戦の開幕が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により残念ながら延期となってしまいました。

本記事執筆時点(5月16日)では、早ければ6月19日からの開幕を目指して協議中とのことだそうですが、無観客での開催となることは避けられないため、開幕したとしても「野球の試合を観戦させる役務の提供」を受けたことになりません。

この場合、原則的に考えれば開幕日に課税仕入れを計上することは不適切であるため、2020年分のシーズン予約席料は以下のように処理することになるのではないかと考えられます。

① 観客を動員して試合が開催された日数で按分計算
② 今年初めて観客を動員して試合が開催された日に一括して全額課税仕入れとして計上

なお、上記はあくまでも僕個人の見解になります。今年は新型コロナウイルスの影響でかなりイレギュラーな取り扱いとなるため、実際に経理処理を行う際は税務署等にご確認ください。

 

(参考)国税庁の質疑応答事例

国税庁の質疑応答事例において、野球のシーズン予約席料の取り扱いについては、以下のように回答されています。

【照会要旨】
当社は3月決算の法人ですが、得意先の接待のためAスタジアムのシーズン予約席(ボックスシート)を確保し、3月中にシーズン予約席料を支払うことにしています。このシーズン予約席料は、仕入税額控除の対象となるのでしょうか。
また、仕入税額控除の対象となる場合、いつの課税期間において仕入税額控除を行うことになるのでしょうか。

【回答要旨】
野球場のシーズン予約席料は、主催者と予約者の間の契約に基づくシーズン中における野球観戦を目的とした席料であるとともに、野球を観戦させるという役務の提供の対価と考えられますから課税仕入れとなり、仕入税額控除の対象となります。
なお、シーズン予約者には試合ごとの入場券が交付されますが、この入場券はシーズン予約者であることを証する一種の整理券と考えるのが妥当であり物品切手には該当しません。
また、課税仕入れの時期は、現実に役務の提供を受ける日つまり観戦をする日ですが、交際費等の算入時期(中途解約はできないものであるから、接待等のあった日として交際費等に直接関連する行為のあった開幕日)に課税仕入れがあったとしても差し支えありません。

【関係法令通達】
消費税法第2条第1項第12号

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号タイトル
701当期中に開幕するプロ野球のシーズン予約席料

 

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