自動車を福祉車両に改造して購入すると消費税が非課税になる?

この記事の内容は、2025年1月現在の最新の税制に対応しています。

車椅子のままで乗り降りできる介護車の車いす仕様車や、各種リフトアップシート車、運転補助装置等の設置された車両は「福祉車両」と呼ばれています。

実は、福祉車両を購入すると消費税が非課税となることがあるということをご存知でしょうか?

 

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福祉車両とは

福祉車両とは、身体障害者や高齢者に配慮した車両で、以下の画像のような仕様・装置が取り付けられた車両のことをいいます。

車椅子に乗ったまま移動できるような装置が取り付けられた車両

(出典:HONDA - 車いす仕様車)

『助手席』への乗り降りがしやすくなる装置が取り付けられた車両

(出典:HONDA - 助手席リフトアップシート車)

手や左足で運転できる補助装置が取り付けられた車両

(出典:HONDA - 運転補助装置)

 

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消費税が非課税となる福祉車両とは

福祉車両が消費税非課税となるかどうかは、「身体障害者用物品」に該当するかどうかがポイントとなります。

国税庁が公表しているタックスアンサーNo.6214『身体障害者用物品に該当する自動車』で、非課税とされる自動車の範囲について次のように記載されています。

(1) 乗用自動車のうち非課税となるものは、身体障害者の使用に供するものとして特殊な性状、構造又は機能を有する次の自動車です。
イ 身体障害者による運転に支障がないよう、道路交通法第91条《免許の条件》の規定により付される運転免許の条件の趣旨に従い、その身体障害者の身体の状態に応じて、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段が講じられている自動車
ロ 車椅子及び電動車椅子(以下「車椅子等」といいます。)を使用する者を車椅子等とともに搬送できるよう、車椅子等昇降装置を装備し、かつ、車椅子等の固定等に必要な手段を施した自動車(乗車定員11人以上の普通自動車については、車椅子等を使用する者を専ら搬送するものに限ります。)

はじめから上記のような装置が取り付けられている福祉車両については、「身体障害者用物品」に該当するため、消費税は非課税とされます。

なお、福祉車両をリースする場合のリース料も非課税の対象となります。

 

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購入時に一般車両を福祉車両に改造する場合は全体が非課税となる

一般車両を福祉車両に改造する場合は、消費税は非課税とされるのでしょうか?

この点については、国税庁の質疑応答事例『身体障害者用自動車の付属品の取扱い』において、次のように回答されています。

【照会要旨】
非課税の対象となる身体障害者用の改造自動車に装着する冷房装置、ラジオ受信機、立体音響装置等の付属品(オプション)の取扱いはどうなるのでしょうか。

【回答要旨】
非課税となる身体障害者用の自動車に係る付属品については、当該自動車の引渡しの時に当該自動車に取り付けられ、当該自動車と一体として取引されるもので、使用に当たって常時当該自動車と一体性があると認められるものは、当該付属品を含めた全体が身体障害者用の自動車に該当して非課税となります。

(非課税となる付属品の例)
カーオーディオ
カーラジオ
カークーラー、エアコン
空気清浄器
字光式ナンバープレート
フォグランプ
アルミホイール
リアスポイラー
ハイマウントストップランプ
エアフォルムバンパー(別称「フロントスポイラー付バンパー」)
フロントガード(別称「フロントグリルガード」または「フロントロアスカート」)
フードオーナーメント(別称「シャイニングエンブレム」)
カーナビゲーション
また、納車時までに備えられるフロアマット、愛車セット等の備品についても身体障害者用の自動車の車両と一体とみなして非課税として差し支えありません。

なんと、一般車両の購入と同時に非課税となる付属品を取り付けた場合は、付属品部分だけでなくその全体が非課税とされるのです。

例えば、一般車両を300万円(税抜き)で購入し、福祉車両(身体障害者用物自動車)への改造費用を20万円で負担した場合はその全体額 320万円が非課税となるため、福祉車両に改造しない場合(税込 330万円)よりもお得になります。

なお、購入者が身体障害者や介護が必要な高齢者等である必要はなく、障がいのない方が一般車両を福祉車両(身体障害者用物自動車)に改造して購入する場合でも非課税となります。

ただし、非課税となるのは購入と同時に改造した場合に限られます。

購入後に改造をした場合は、改造費用は非課税となりますが、一般車両の購入費用はすでに消費税が課税されているため後から非課税にすることはできません。

 

福祉車両の修理代は、身体障害者用の補助装置等に係る部分のみ非課税

福祉車両を修理する場合は、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段に係る修理及び車椅子等昇降装置及び必要な手段に係る修理についてのみ非課税とされます。

これら以外の部分に係る修理代については、非課税とされません。

 

まとめ

車椅子の昇降装置などが取り付けられた福祉車両は、身体障害者用物品に該当するものは消費税が非課税とされます。

はじめから福祉車両(身体障害者用自動車)として販売されているものだけでなく、一般車両についても購入時に福祉車両に改造する場合は、付属品だけでなくその全体が非課税とされます。

ただし、修理代については、身体障害者用の補助装置等に係る部分のみが非課税となります。

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
195 身体障害者用物品に該当する自動車の修理
860 カーナビの身体障害者用改造自動車への取付費用

 

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