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遠洋漁業を営む漁師は、遠く離れた海の上で何か月も生活しながらマグロなどの海産物を捕獲します。

このような遠洋漁業を営んでいる事業者は、海の上で海産物を譲渡することもあります。

そこで、もし海産物を譲渡した場所は公海上であった場合は、消費税はかかるのでしょうか?

今回は、公海上で資産の譲渡を行った場合の取扱いについて説明したいと思います。

 

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公海とは

公海

(出典:Wikipedia-公海)

公海とは、いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国家の群島水域にも含まれない海のすべての部分をいいます。

陸地の基線から200海里までの排他的経済水域(EEZ)より外側の水域が公海となります。

 

国内取引の判定

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

課税の対象の要件として「① 国内において行うものであること」があります。

国内取引に該当するかどうかは、どのように判定するのでしょうか?

消費税法第4条第3項第1号において、資産の譲渡が国内取引に該当するかどうかについて、次のように規定しています。

(課税の対象)
3 資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める場所が国内にあるかどうかにより行うものとする。ただし、第三号に掲げる場合において、同号に定める場所がないときは、当該資産の譲渡等は国内以外の地域で行われたものとする。
一 資産の譲渡又は貸付けである場合 当該譲渡又は貸付けが行われる時において当該資産が所在していた場所(当該資産が船舶、航空機、鉱業権、特許権、著作権、国債証券、株券その他の資産でその所在していた場所が明らかでないものとして政令で定めるものである場合には、政令で定める場所)

つまり、資産の譲渡を行った時の資産の所在場所が国内であれば、国内取引に該当することになります。

 

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公海上で海産物の譲渡を行った場合

上述のとおり、公海はいずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国家の群島水域にも含まれない水域であるため、公海は日本国内ではありません。

したがって、公海上で海産物の譲渡を行った場合は、資産(海産物)の譲渡の時における資産の所在場所が国内ではないため、課税の対象の要件である「① 国内において行うものであること」を満たさず、不課税取引となります。

 

(参考)第62回(平成24年度)税理士試験

公海上での資産の譲渡の取扱いについては、第62回(平成24年度)税理士試験消費税法の試験でも出題されたことがあります。

⑶ 当社は遠洋漁業を営む法人ですが、公開上で採捕した海産物を当該公海上において外国の法人に対して譲渡しました。この場合の海産物の譲渡に対する消費税法の適用関係はどのようになりますか。
(注)公海とは、いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国家の群島水域にも含まれない海のすべての部分をいう。(海洋法に関する国際連合条約第86条)

第62回(平成24年度)税理士試験 消費税法[第一問]問2

資産の譲渡の時における資産の所在場所が国内ではないため、正解は不課税取引となります。

 

なお、似たような事例として、以下の記事で宇宙空間で人工衛星を譲渡した場合の消費税の取扱いについて説明しました。

公海上で譲渡した場合と基本的な考え方は同じです。

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
39 海産物の公海上での譲渡

 

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