このサイトをご覧になっている皆さんは、資格試験のためなど日頃から何かしらの勉強をされている方が多いかと思います。
皆さんにとって「一番勉強が集中できる場所」はどこでしょうか?
人それぞれ違いはあるかと思いますが、当サイト運営者である僕は、ガヤガヤと賑やかな「うるさい場所」の方が集中できるタイプです。
これは税理士試験の勉強をしていた時に限らず、僕は小学生ぐらいの時からずっと「うるさい場所」を好んで勉強していました。
一般的には、自習室や図書館のような「静かな場所」の方が集中できるという方が多いかと思いますが、僕はどうも「静かな場所」ではあまり集中できず、逆に「うるさい場所」の方が集中できました。
今回は、静かな場所でなかなか集中できない人に、あえて「うるさい場所」で勉強するメリットをご紹介したいと思います。
「静かな場所」の方が小さな音が目立って気が散る
「静かな場所の方が集中できる」と思いがちですが、「静かな場所」というのは意外と集中力を阻害する要素がたくさんあるのです。
図書館や自習室などの「静かな場所」は、いくら静かとはいっても、完全な「無音」ではありません。
むしろ、下手に静かな分、ちょっとした雑音が取り分け目立って聞こえてしまいます。
例えば、資格学校の自習室で勉強しているときに聞こえる音を文字で表すと以下のようになります。
「バタン・・・トントントントントン・・・スッ」←あっ!誰か自習室に入ってきた!後ろから2列目あたりに座ったっぽいな。この足音だと女性かな?
「ガサッ・・・ガサガサ」←誰かレジ袋開けてるな。お菓子でも食べるのかな?
「ペラ〜ン・・・ペララ〜ン」←ページめくる音うっさ!もっと静かにめくれし!
「カタタタ・・カタカタカタタタ」←誰か電卓叩いてるな。簿記検定の受験生かな?それとも税理士受験生かな?てか電卓打つスピードめちゃ早!
「ゴホンゴホン」←誰か咳してるな。コロナ大丈夫だよね?
「ドサッ」←誰か机から何か落としたな。音的にテキストを落としたのかな?
「ハッ・・ハッ・・ハックショ〜イ!」←すごい勢いのくしゃみ!これは声的にたぶんおっさんだな。さっき咳してた人と同じ?てかちゃんと手で口覆ってた?飛沫大丈夫?
と、このように、静かな分ちょっとした雑音がかえって目立ってしまうため、いちいちその音が気になってしまいなかなか集中できません。
自分の部屋や誰もいない個室の自習室であっても完全に無音にすることはやはり難しく、時計の音や服の擦れる音、近隣住人の生活音、遠くから聞こえてくる車や飛行機の音などが静かな中でかえって目立って聞こえてしまい、気になってどうも集中できないということがあります。
このように、静かな場所では、特定のちょっとした雑音がかえって目立ってしまい、それが集中力を阻害してしまうことがあるのです。
常に雑音が鳴っている「うるさい場所」の方が気が散らない
では、ガヤガヤ賑やかな「うるさい場所」で勉強しているときに聞こえる音はどんな感じでしょうか?
例えば、お客さんがたくさんいるファミレスで勉強している時に聞こえる音を文字で表すと以下のようになります。
と、うるさい場所というのは常に雑音が鳴っている状態であるため、静かな場所と違い特定の雑音だけがとりわけ目立って聞こえてくるということはありません。
静かな場所でたまに雑音が聞こえてくるとそれが気になり気が散ってしまいますが、このように常に雑音が聞こえている状態だといちいち気にならなくなり、かえって気が散らなくなるのです。
変な表現ですが、僕にとっては「うるさい場所」の方がある意味、集中力を阻害する要因が少ないという意味で「静か」だと思います。
僕はスイッチが入っていないときは全然集中できない注意力散漫なポンコツなのですが、いったんスイッチが入り集中モードに入ると取り憑かれたように没頭するタイプで、時間も忘れて気づいたらかなり遅い時間になっていたり、周りから話しかけられても気づかないぐらいのめり込みます。
このような、いわゆる「ゾーンに入った」というべき状態になると、不思議なことに、様々な雑音が鳴り渡っている「うるさい場所」にいるはずなのに、ほとんど何も聞こえていないような「静かな」心境になることがあります。
これくらいの集中モードに入れるのは、「静かな場所」よりも「うるさい場所」の方が圧倒的に多かったです。
そのため、僕は小学生くらいのときから「静かな場所」よりも「うるさい場所」を好んで勉強するようにしており、以下のような場所でよく勉強をしていました。
松尾芭蕉もうるさい場所でゾーンに入っていた?
ここで、突然ですが、皆さんは以下の俳句を聞いたことはありますか?
閑さや岩にしみ入る蝉の声(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)
この俳句は、松尾芭蕉が元禄2年5月27日(1689年7月13日)に出羽国(現在の山形市)の立石寺に参詣した際に詠んだもので、『奥の細道』に収録されています。
非常にやかましい「蝉の声(せみのこえ)」が鳴りしきっている状況の中で「閑さ(しずかさ)」という対照的な心境を詠んだ言わずと知れた名句です。
この俳句の解釈については実に様々なものがありますが、一つの説として、セミのうるさい鳴き声によって松尾芭蕉が「ゾーンに入った」のではないかと言われています。
あちこちで蝉がジャカジャカとうるさく鳴りしきっている山中で、うるさすぎてかえって気が散らない「静か」な心境に達し、いわゆる「ゾーンに入った」超集中モードの中で、松尾芭蕉はこの俳句を思いついたのかもしれません。
少し話は逸れましたが、「うるさい場所」の方が集中力を阻害する要因となる特定の雑音が目立ちにくくなるため、かつて松尾芭蕉も感じたように、「うるさい場所」のほうがかえって「静か」な心境となり、勉強も捗ることがあります。
(参考)聴覚過敏がある場合は無理せず静かな場所で
ここまで、僕にとっては「静かな場所」よりも「うるさい場所」の方が集中できて良いと書いてきましたが、たまに「静かな場所」じゃないと勉強できないときがあります。
実は僕は「聴覚過敏」という症状が出るときがあり、うるさい場所にいるのが苦痛になることがあります。
いつもこの症状があるわけではなく、寝不足の時や疲労・ストレスがかなり溜まっているときだけで頻度としては極まれなのですが、音が普段より大きく感じるというか、耳に突き刺さるような感じがして、車のクラクションなどの大きな音に飛び上がるほどびっくりしたり、電車やファミレスなどのうるさい場所では耳を塞いでいないといたたまれないほど苦痛に感じるときがあります。
そういう時はなるべく勉強や仕事はしないようにしているのですが、どうしても必要がある場合は自宅や自習室、図書館などの静かな場所でやるようにしています。
たぶんですが勉強時に「音が気になる」というタイプは多かれ少なかれ聴覚過敏の傾向がある方が多いのではないかと思うため、もし同じような症状がある方は、無理せず静かな場所で勉強するようにしましょう。
なお、聴覚過敏の症状があるときは「ノイズキャンセリングイヤホン」を使うと非常に楽になります。
「ノイズキャンセリングイヤホン」は、周囲から入ってくる音と逆の位相の音をイヤホンから出すことで、音を相殺して小さくしてくれるものです。
音楽を聴いている時だけでなく、無音のまま周囲の音を相殺するだけのモードにすることもできます。
「ノイズキャンセリングイヤホン」には様々な種類のものがありますが、ノイズキャンセル機能はやはりお高くなるほど良くなります。
僕が一番気に入って使っているものはソニーのワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン「WI-1000XM2」です。ノイズキャンセル機能はもちろん、普通に音質も良いので普段から音楽等を聴くのにも使っています。
まとめ
「静かな場所」では、特定の雑音が目立って聞こえてしまうため、気が散ってしまうことがあります。
しかし、「うるさい場所」では、常に雑音が聞こえている状態のため特定の雑音だけが目立つことはなく、集中力を阻害する要因が少ないという意味でむしろ「静か」だといえるため、「静かな場所」よりも勉強に集中できることがあります。
自習室や図書館などの「静かな場所」で勉強していて、どうも集中できないなと感じている人は、騙されたと思って一度ファミレスや喫茶店などの「うるさい場所」で勉強してみてください。
もしかしたら、あなたも「うるさい場所」の方が集中できるタイプかもしれません。