andreas160578 / Pixabay

近年、自宅の屋根や庭などにソーラーパネルを設置して電力を製造する太陽光発電が流行っています。

太陽光が当たるスペースさえあればソーラーパネルを設置するだけで発電ができるため、太陽光発電は企業のみならず一般家庭でも広く普及しています。

では、普段は会社勤めをしているサラリーマンが太陽光発電により製造した電力を電力会社に売却した場合は、売却代金に消費税はかかるのでしょうか?

今回は、会社員が太陽光発電で製造した電力を売却した場合の消費税の取扱いについて解説したいと思います。

 

スポンサーリンク

課税の対象の4要件

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

会社員が太陽光発電で製造した電力を売却する行為が消費税の課税の対象となるかどうかは、「② 事業者が事業として行うものであること」の要件を満たすかどうかがポイントとなります。

 

どのような場合に「事業として」に該当するのか

一般的に、会社員は会社に雇用されており自分で事業を行っているわけではないため、「事業者」には該当しません。

しかし、会社員が行う取引であっても「事業として行うもの」に該当することがあります。この点について、国税庁の質疑応答事例に次のような記載があります。

消費税の課税対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であり、個人事業者が生活の用に供している資産を譲渡する場合の当該譲渡は課税対象となりませんが、会社員が行う取引であっても、反復、継続、独立して行われるものであれば、課税対象となります

したがって、会社員であっても、取引を反復、継続、独立して行っている場合は課税の対象となります。

なお、会社員が行う太陽光発電による電力の売却には、製造した電力をすべて売却する「全量売電」と、使い切れずに余った分だけ売却する「余剰売電」の2種類があります。

その売却形態により、反復、継続、独立して行われるものに該当するかどうかが異なります。

 

スポンサーリンク

全量売電の場合

全量売電

会社員が太陽光発電により製造した電力をすべて売却する「全量売電」を行っている場合については、国税庁の質疑応答事例に次のような記載があります。

会社員が自宅で行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。
会社員が行うこの全量売電は、電力会社との間で太陽光発電設備により発電した電気の全量を売却する旨の契約を締結し、その発電した電気を生活の用に供することなく数年間にわたって電力会社に売却するものであることから、会社員が反復、継続、独立して行う取引に該当し、課税の対象となります。

全量売電では、毎月必ず電力を売却することになるため、反復・継続・独立して行う取引に該当し、課税の対象となります。

したがって、会社員が全量売電により売却した電力の売却代金は課税売上げとなります。

 

余剰売電の場合

余剰売電

太陽光発電により製造した電力を自宅の生活用に使用し、使い切れずに余った分だけ電力会社に売却する「余剰売電」を行っている場合については、国税庁の質疑応答事例に次のような記載があります。

【照会要旨】
会社員が自宅に太陽光発電設備を設置し、いわゆる太陽光発電による固定価格買取制度に基づき、その余剰電力を電力会社に売却している場合、課税の対象となるのでしょうか。

【回答要旨】
・・・(中略)・・・
照会の余剰電力の売却は、会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた電気のうち、使い切れずに余った場合に当該余剰電力を電力会社に売却しているものであって、これは消費者が生活用資産(非事業用資産)の譲渡を行っているものであることから、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しません。
したがって、照会のように、事業者ではない者が生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた余剰電力の売却は、課税の対象となりません。

余剰売電の場合は、生活用資産を売却していることになるため、事業に付随して行われる行為には該当しません。

また、余剰売電の場合は、毎月必ず電力を売却するとは限りません。晴れの日が少なく日光不足であまり多く電力を製造できなかった月や、自宅での電力の消費量が多かった月などは、太陽光発電により製造した電力量よりも消費電力量の方が大きくなり、電力を売却しない月もあるため、反復・継続・独立して行う取引に該当しません。

したがって、余剰電力の売却は「事業として行うもの」に該当せず、課税の対象となりません。

 

まとめ

会社員が太陽光発電により製造した電力の売却の消費税の取扱いをまとめると次のようになります。

会社員の太陽光発電の取扱いまとめ
全量売電の場合 → 課税の対象となる
余剰売電の場合 → 課税の対象とならない

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
425 自家発電した電気の全量売電による売却
544 会社員による太陽光発電の余剰電力の売却

 

スポンサーリンク
その隙間時間、もったいないと思いませんか?
アプリ使用イメージ

通勤・通学中などの隙間時間は、有効に使えていますか?1日にしたらたった数十分程度の時間でも、塵も積もれば山となって膨大な時間となります。もし1日30分の隙間時間があったとしたら、1年に換算すると182.5時間になります。これだけの時間を有効活用することができたら、非常に大きなアドバンテージとなります。

消費税法一問一答アプリでは、隙間時間を有効活用して消費税の課否判定のトレーニングができるのはもちろん、アプリケーションプログラムを利用して短時間で多くの問題を解くことができるため、紙ベースの問題集よりもはるかに高い効率性で消費税の学習ができます!

おすすめ記事