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前回の記事では、自由診療と保険診療の医療費に係る消費税の取扱いの違いについて解説しました。

保険診療=非課税、自由診療=課税という認識でほとんど区別できますが、例外的に自由診療であっても非課税になることがあります。

今回は、自由診療が非課税となるケースについて解説したいと思います。

 

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自由診療であっても非課税となる場合

基本的に、自由診療に係る医療費は社会保険医療に係る給付等に該当しないため、非課税取引とはなりません。

しかし、例外的に自由診療でも非課税取引となる場合があります。

結論から先に書くと、自由診療であっても非課税となるのは、交通事故の被害者が治療を行った場合です。

 

交通事故の治療をなぜ自由診療で行うのか

交通事故治療

病院は、健康保険の適用がある保険診療を行った場合は、法律で決められた金額しか診療報酬を請求できません。しかし、自由診療の場合は請求できる診療報酬の金額を病院が自由に決めることができるため、自由診療で治療をした方が病院の収入は大きくなります。

また、交通事故が起きた場合、通常被害者の治療費は加害者が負担することになるため、被害者側もどうせなら治療費の高い自由診療で治療を受けたいと思い、健康保険を使える場合であっても健康保険を使わずに自由診療で治療が行われることがあります。

 

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自賠責保険の支払に係る治療は非課税となるのか

交通事故の被害者は、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)から保険金が支払われることになります。

被害者は自賠責保険の保険金を治療費に充てることになりますが、この場合の治療費の消費税の取扱いはどうなるでしょうか?

非課税とされる「社会保険医療の給付等」の範囲については、消費税法別表第一において次のように規定されています。

六 次に掲げる療養若しくは医療又はこれらに類するものとしての資産の譲渡等(これらのうち特別の病室の提供その他の財務大臣の定めるものにあつては、財務大臣の定める金額に相当する部分に限る。)
・・・(中略)・・・
ヘ 自動車損害賠償保障法の規定による損害賠償額の支払を受けるべき被害者に対する当該支払に係る療養
ト イからヘまでに掲げる療養又は医療に類するものとして政令で定めるもの

したがって、損害賠償額の支払いを受けるべき交通事故の被害者に対して治療が行われた場合は、その治療が自由診療で行われたとしても、非課税とされる「社会保険医療の給付等」の範囲に含まれます。

 

被害者が任意保険で自由診療の治療を行った場合

自賠責保険ではなく任意保険から保険金の支払いを受けて自由診療の治療を行った場合や、治療費が自賠責保険の支払上限の120万円を超えるため任意保険からも支払いを受けた場合はどうなるでしょうか?

ここで、消費税法別表第一の規定を再掲します。

ヘ 自動車損害賠償保障法の規定による損害賠償額の支払を受けるべき被害者に対する当該支払に係る療養

したがって、自賠責保険で支払った金額のみが非課税となるのではなく、自動車損害賠償保障法において損害賠償額の支払いを受けるべき被害者が行った治療であれば、その治療費は自費だろうが自賠責保険だろうが任意保険だろうが非課税となります。

 

交通事故の加害者の治療費

交通事故の加害者の過失割合が100%の場合は、自賠責保険の保険金が支払われることはありません。

したがって、自賠責保険の支払いを受ける立場にない交通事故の加害者が自由診療で治療を行った場合は、当該治療費は非課税にはなりません。

なお、加害者が加入している任意保険から保険金の支払を受けた場合はどうなるでしょうか?

消費税法別表第一を再び参照して考えてみましょう。

ヘ 自動車損害賠償保障法の規定による損害賠償額の支払を受けるべき被害者に対する当該支払に係る療養

太字で示したように、自動車事故の療養が非課税となるのは被害者の治療のみです。

そもそも加害者(過失割合100%の場合)は自賠責保険の支払いを受ける立場にないため、上記規定の対象とならず、任意保険から支払いを受けたとしても自由診療の治療費は非課税にはなりません。

 

まとめ

自動車事故に関する治療を自由診療で行った場合の治療費の消費税の取扱いをまとめると次のようになります。

自動車事故の自由診療の治療費
被害者の治療費 → 自費でも任意でも自賠責でも非課税
加害者の治療費 → 自費でも任意でも課税

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
163 自動車損害賠償責任保険の対象となる医療
164 自動車事故の療養として行う自由診療
165 自動車損害賠償責任保険の対象とならない医療
169 任意保険の保険会社から支払いを受けた診療報酬

 

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