損害賠償金が消費税の不課税取引かどうかは実質的な内容で判断しよう
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交通事故に巻き込まれた場合や、お店の商品や備品を傷つけられた場合には、損害賠償金を収受することがあるかと思います。

損害賠償金の消費税の取扱いは不課税取引だと思っている方が多いかもしれませんが、実は内容によっては課税取引になることがあります。

今回は、損害賠償金に係る消費税の取り扱いについて解説したいと思います。

 

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損害賠償金は課税の対象になるのか

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

損害賠償金が課税の対象になるかどうかは、「③ 対価を得て行うものであること」の要件を満たしているかどうかがポイントとなります。

損害賠償金に係る消費税の取扱いについて、国税庁の消費税法基本通達5-2-5において以下のように記載されています。

(損害賠償金)
損害賠償金のうち、心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴い受けるものは、資産の譲渡等の対価に該当しないが、例えば、次に掲げる損害賠償金のように、その実質が資産の譲渡等の対価に該当すると認められるものは資産の譲渡等の対価に該当することに留意する。

(1) 損害を受けた棚卸資産等が加害者(加害者に代わって損害賠償金を支払う者を含む。以下5-2-5において同じ。)に引き渡される場合で、当該棚卸資産等がそのまま又は軽微な修理を加えることにより使用できるときに当該加害者から当該棚卸資産等を所有する者が収受する損害賠償金

(2) 無体財産権の侵害を受けた場合に加害者から当該無体財産権の権利者が収受する損害賠償金

(3) 不動産等の明渡しの遅滞により加害者から賃貸人が収受する損害賠償金

なお、損害賠償金については「慰謝料」「修理代」「治療費」「弁償金」「違約金」「和解金」「原因者負担金」など、その名目は様々であるため、名目から形式的に判断するのではなく、実質的な内容を見て判断する必要があります。

 

心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴い受けるものは原則不課税

心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴い収受する損害賠償金は、資産の譲渡等の対価として収受するものではないため、不課税取引となります。

具体例としては、以下のようなものがあります。

交通事故の加害者から収受する治療費

交通事故

誹謗中傷・名誉棄損の加害者から収受した慰謝料

誹謗中傷

修理不能になった商品の弁償代

修理不能

破損した店舗や備品の修理代

店舗の破損

 

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棚卸資産等がそのまま又は軽微な修理を加えることにより使用できる場合は課税対象

軽微な修理により使用できる場合

例えば、お店の商品に傷をつけてしまい弁償代金を支払った場合でも、その商品をそのまま又はほんの少し修理を加えるだけで使用できるときは、傷をつけてしまったからという理由はともかく、実質的にその商品を買い取ったのと同じことになります。

したがって、当該棚卸資産等がそのまま又は軽微な修理を加えることにより使用できるときに当該加害者から当該棚卸資産等を所有する者が収受する損害賠償金は棚卸資産の譲渡に係る対価に該当するため、課税の対象に含まれます。

 

無体財産権の侵害を受けた場合は課税対象

著作権

例えば、当社所有のキャラクターの著作権を無断で使用された場合に、無断使用に係る損害賠償金を収受した場合は、実質的に当社の著作権を貸し付けた対価を収受したことになります。

したがって、無体財産権の侵害を受けた場合に収受する損害賠償金は無体財産権の貸付けに係る対価に該当するため、課税の対象に含まれます。

 

不動産等の明渡しの遅滞があった場合は課税対象

不動産等の明渡し遅滞があった場合に収受する違約金の取扱いについては、下記の記事で詳しく解説しています。

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号タイトル
417慰謝料の収受
422貸し付けた車両を破損させたことに基づいて没収した預り保証金
430交通事故の加害者からの損害賠償金
431軽微な修理で修復可能な商品に係る損害賠償金
432無体財産の侵害を受けて収受する損害賠償金
433事務所の明渡遅滞に伴う損害賠償金
439損害を受け破棄した備品の損害賠償金
858修理費用実費額として支払った損害賠償金
967預かった荷物を事故で破損させて支払った損害賠償金
968無体財産権の侵害により支払った損害賠償金
969不可抗力により滅失した資産につき負担した損害額
970施設を損傷させて支払った原因者負担金

消費税法 基本の一問一答

問題番号タイトル
144交通事故の加害者からの損害賠償金
145軽微な修理で修復可能な商品に係る損害賠償金
146無体財産の侵害を受けて収受する損害賠償金
147事務所の明渡遅滞に伴う損害賠償金

消費税率判定トレーニング

問題番号タイトル
SPS02漫画を無断でインターネットで公開したために支払った著作権侵害に対する損害賠償金
GKY06禁漁区域でハマグリを密漁したことによる罰金
CSM06品質不良のクレームを受けて支払った損害賠償金
CV086コンビニの駐車場に無断駐車していたために徴収された罰金
KD017落下させて壊してしまったカメラの弁償額
IZ016食べ放題メニューを注文した際に過度の食べ残しを理由として支払った追加料金(食べ残し分を持ち帰る場合)
HTL06寝過ごしてチェックアウト時間に間に合わなかった場合の延長料金
HS007家庭科室のフルーツポンチをつまみ食いしたのがバレたために支払った弁償金

 

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