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2014年に、青色LEDの技術を開発したカリフォルニア大学の中村修二教授がノーベル物理学賞を受賞しました。

中村氏は日亜化学工業在職中のサラリーマン時代に青色発光ダイオードの技術を開発しましたが、中村氏にはわずかな報償金が支払われただけで、青色発光ダイオードの発明に係る特許権は会社に帰属することになりました。

中村氏はこれを不服として会社を相手取って200億円の支払いを求める訴訟を起こし、見事勝訴を勝ち取りました。

この訴訟は職務発明のあり方に一石を投じることとなり、これを受けて自社の報償金制度を見直す企業が増えてきました。

では、会社が従業員に対して報償金を支払った場合は、消費税の課税仕入れとなるのでしょうか?

今回は、報償金に係る消費税の取扱いについて解説したいと思います。

 

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報償金に係る消費税の取扱い

会社が従業員に給料を支払った場合は、消費税は不課税となります。

しかし、給料とは別に、業務上有益な発明や創作をした者に対して報償金等を支払う場合は、消費税の課税の対象となることがあります。

消費税法基本通達11-2-4において、報償金の取扱いについて次のように規定されています。

(使用人等の発明等に係る報償金等の支給)
事業者が、業務上有益な発明、考案等をした自己の使用人等に支給する報償金、表彰金、賞金等の金銭のうち次に掲げる金銭については、課税仕入れに係る支払対価に該当する。

(1) 業務上有益な発明、考案又は創作をした使用人等から当該発明、考案又は創作に係る特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利又は特許権、実用新案権若しくは意匠権を承継したことにより支給するもの

(2) 特許権、実用新案権又は意匠権を取得した使用人等にこれらの権利に係る実施権の対価として支給するもの

(3) 事務若しくは作業の合理化、製品の品質改良又は経費の節約等に寄与する工夫、考案等(特許又は実用新案登録若しくは意匠登録を受けるに至らないものに限り、その工夫、考案等がその者の通常の職務の範囲内の行為である場合を除く。)をした使用人等に支給するもの

 

特許権等の譲受け・借受けの対価としての報償金は課税仕入れとなる

消費税法基本通達11-2-4に掲げられている課税仕入れに該当する報償金の(1)と(2)については、従業員の発明が特許権等を取得できるようなものである場合の当該特許権の譲受け又は借受けの対価として支払うものになります。

以下、通達の該当部分を再掲します。

(1) 業務上有益な発明、考案又は創作をした使用人等から当該発明、考案又は創作に係る特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利又は特許権、実用新案権若しくは意匠権を承継したことにより支給するもの

(2) 特許権、実用新案権又は意匠権を取得した使用人等にこれらの権利に係る実施権の対価として支給するもの

したがって、これらの報償金は、特許権等の無形固定資産の譲受け又は借受けの対価として支払うものであり、給料としての性格を有するものではないため、課税仕入れに該当します。

 

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特許権等の取得に至らない場合は、通常の職務の範囲内かどうかで判断

上記のような特許権等の取得に至らないケースの場合の報償金が課税仕入れに該当するかどうかは、その報償金の支給に係る発明や創作が通常の職務の範囲内の行為であるかどうかがポイントとなります。

以下、通達の該当部分を再掲します。

(3) 事務若しくは作業の合理化、製品の品質改良又は経費の節約等に寄与する工夫、考案等(特許又は実用新案登録若しくは意匠登録を受けるに至らないものに限り、その工夫、考案等がその者の通常の職務の範囲内の行為である場合を除く。)をした使用人等に支給するもの

したがって、通常の職務の範囲内の行為に係る報償金の支給については、通常の給料等の支払いと同様に扱われ、消費税は不課税とされます。

また、職務外の行為であっても、業務とは無関係なことに対する報償金の支払いも不課税取引となります。

課税仕入れとならない報償金の具体例としては、以下のようなものがあります。

課税仕入れに該当しない報償金
  • 営業成績が優秀だった従業員に対して支払う報償金
  • 業務に関連する資格を取得した従業員に支払う報償金
  • 永年勤続者に対して支払う報償金
  • ボランティア活動等の社会的栄誉を讃えるための報償金

 

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消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
618 従業員のアイディアに対する報償金
619 使用人の発明に対する報償金
620 通常の職務の範囲内で考案された使用人のアイディアに対する報償金
621 社会的栄誉を讃えるための報償金

 

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