事業年度を100年にしたら100年間免税事業者になれるのか?

この記事の内容は、2025年1月現在の最新の税制に対応しています。

法人の事業年度は定款で自由に決めることができます。

1年決算でなくても、半年決算や8か月決算を採用することも可能です。

では、新しく法人を設立する際に、定款に「当社の事業年度は100年間とする」と記載した場合、消費税の課税期間はどうなるのでしょうか?

 

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消費税の課税期間

消費税の課税期間は、個人事業者と法人についてそれぞれ次のように規定されています。

消費税の課税期間
個人事業者・・・1月1日から12月31日まで
法人・・・・・・事業年度

ただし、特例として、届出により課税期間を3か月ごと又は1か月ごとに短縮することができます。

 

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法人の設立第1期目の納税義務

法人の設立第1期目については、基準期間及び特定期間が存在しないため、新設法人(期首資本金額が1,000万円以上の法人)などに該当しなければ納税義務は免除されることとなります。

 

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事業年度を100年にした場合

では、新しく設立する事業年度を100年間とし、設立第1期の納税義務が免除される場合は100年間ずっと免税事業者で居続けることができるのでしょうか?

残念ながら答はNOです。

消費税の「事業年度」は、消費税法第2条第1項第13号において次のように規定されています。

事業年度

法人税法第十三条及び第十四条(事業年度)に規定する事業年度(国、地方公共団体その他これらの条の規定の適用を受けない法人については、政令で定める一定の期間)をいう。

このように、消費税法では「事業年度」の定義を法人税法の規定から借用していることになります。

では、法人税法において「事業年度」はどのように規定されているか見てみましょう。

この法律において「事業年度」とは、法人の財産及び損益の計算の単位となる期間(以下この章において「会計期間」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この章において「定款等」という。)に定めるものをいい、法令又は定款等に会計期間の定めがない場合には、次項の規定により納税地の所轄税務署長に届け出た会計期間又は第三項の規定により納税地の所轄税務署長が指定した会計期間若しくは第四項に規定する期間をいう。ただし、これらの期間が一年を超える場合は、当該期間をその開始の日以後一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、その一年未満の期間)をいう。

太字のただし書きのとおり、残念ながら、定款で定めた事業年度が1年を超える場合には、1年ごとの期間にカットされてしまうことになります。

したがって、事業年度を100年間と設定した場合でも、法人税法の規定により1年ごとの期間が課税期間とされてしまうため、1年ごとに納税義務の判定を行う必要があります。

事業年度をこんなに長くしてもOKだったら、みんないつまでも税金を払わなくなってしまうので、当たり前っちゃ当たり前の規定ですね。

 

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消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
941 事業年度が1年超の場合

 

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