ゴルフプレー時に支払う「緑化協力金」の会計処理と消費税の取扱い

この記事の内容は、2025年1月現在の最新の税制に対応しています。

ゴルフ場でゴルフのプレーをしたときは、ゴルフプレー代の他に「緑化協力金」というものを支払うことがあります。

今回は、ゴルフのプレー時にゴルフ場に支払う「緑化協力金」についての会計処理と消費税の取扱いについて解説したいと思います。

 

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緑化協力金とは

緑化協力金とは、利用するゴルフ場が「公益社団法人ゴルフ緑化促進会」という団体の協力会員となっている場合に、ゴルフのプレー代と一緒に支払う寄付金です。

ゴルファーから募った緑化協力金は、学校・公園・河川・福祉施設などの社会公共施設の緑化および環境保全等のために使われ、みどり豊かな国土と明るい社会づくりに貢献しています。

 

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緑化協力金の支払いは消費税の課税対象外(不課税取引)

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

緑化協力金の支払いは、ゴルフ場を利用してゴルフをプレーした対価として支払うものではなく、社会公共施設の緑化および環境保全等のために充てられる「寄附金」です。

したがって、緑化協力金は、何かしらの商品やサービスの提供を受けたことに対する対価として支払うものではないため、課税の対象の4用件のうち「③ 対価を得て行うものであること」の要件を満たさないため、消費税の課税対象外取引(不課税取引)となります。

なお、ゴルフをプレーした時に徴収される「ゴルフ場利用税」の消費税の取扱いについても、これと同様に考えます。詳しくは、次の記事をご覧ください。

 

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会計処理

ゴルフ場を利用した際に支払う「緑化協力金」の勘定科目は、「寄附金」で処理します。

なお、取引先との接待の場合は「接待交際費」、社員への福利厚生目的の場合は「福利厚生費」として処理してもかまいません。

また、金額の重要性が低い場合は「雑費」として処理してもかまいません。

ただし、消費税の税区分はいずれの勘定科目で処理した場合であっても「対象外(不課税仕入れ)」となることに注意しましょう。

数値例
当社の取引先の接待のために、ゴルフプレー代 25,000円(ゴルフ場利用税 900円、緑化協力金 100円を含む。)を支払った。

ゴルフプレー代を支払ったときの仕訳

なお、ゴルフ場利用税は「租税公課」勘定で処理し、税区分は不課税となります。

 

(参考)法人税法上の取扱い

公益社団法人ゴルフ緑化促進会は「特定公益増進法人」に該当するため、緑化協力金の支払いは「特定寄附金」に該当します。

したがって、次に掲げる金額の合計額の2分の1に相当する金額が、一般の寄附金とは別枠で損金の額に算入されます。

イ その事業年度終了の時における資本金等の額(零に満たない場合は零とします。)を12で除し、これにその事業年度の月数を乗じて計算した金額の1000分の3.75(注)に相当する金額
(注) 平成24年3月31日以前に開始する事業年度は1000分の2.5に相当する金額ロ その事業年度の所得の金額の100分の6.25(注)に相当する金額

 

(参考)所得税法上の取扱い

所得税においては、緑化協力金の支払額は寄附金控除の対象となります。

確定申告の際に、いずれか有利な方を選択することができます。

所得控除
[その年の寄付総額(ただし総所得金額の40%が限度)-2,000円]までの所得控除]が受けられます。
税額控除
[その年の寄付総額(ただし総所得金額の40%が限度)-2,000円]までの所得控除]×40%を所得税額から控除できます。
ただし、控除額は所得税額の25%が限度となります。

また、一部の自治体の個人住民税でも、税制上の優遇措置を受けることができます。詳細につきましては、お住まいの自治体および税務署にお問い合わせください。

 

まとめ

緑化協力金の支払いは、課税の対象の4要件のうち「対価を得て行うものであること」の要件を満たさないため、消費税の課税対象外(不課税取引)となります。

ただし、緑化協力金の支払いは、公益社団法人 ゴルフ緑化促進会(特定公益増進法人)に対する特定寄附金に該当するため、法人税法又は所得税法において各種優遇措置が受けられます。

 

関連するアプリの問題

消費税法 無敵の一問一答

問題番号 タイトル
703 ゴルフ場に支払う緑化協力金

 

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