令和元年10月1日からの消費税率の引き上げに伴い、多くの事業者が販売価格を変更する必要に迫られることとました。

景品表示法では、一般消費者に対し、販売している商品が他の事業者が販売しているものよりも著しく有利であるとの誤認を生じさせるような表示をすることを禁止しています。

そこで今回は、消費税率引き上げに伴い、景品表示法に抵触する可能性のある消費税に関連する表示例について注意すべき点を解説したいと思います。

 

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景品表示法で禁止される「有利誤認」とは

消費税に関連して、販売価格又は料金の額、その販売価格等が適用される商品又は役務の範囲、その販売価格等が適用される顧客の条件などについて事実に反する表示を行うことは、一般消費者にその事業者の販売価格等が実際のもの又はその事業者と同種若しくは類似の商品若しくは 役務を供給している 他の事業者に係るものよりも著しく有利であるとの誤認を生じさせ、景品表示法第5条第2号が禁止する不当表示(有利誤認)に該当する恐れがあります。

(不当な表示の禁止)
事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 (略)
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三 (略)

この規定は、しかも 消費者が消費税を負担していない又はその負担が軽減されているかのような誤認を消費者に与えないようにするとともに、納入業者に対する買いたたきや、競合する小売事業者の消費税の転嫁を阻害することに繋がらないようにするため、事業者が消費税部を値引きする党の宣伝や広告を行うことを禁止するものです。

景品表示法の観点から、消費税率の引上げに伴う表示について以下のような表示例は問題となるそれがあります。

 

「価格据え置き」等の表示

消費税率引き上げ前の相当期間にわたって販売されていた価格とは言えない価格にも関わらず、その価格で消費税率引き上げ以降も販売しているかのような「価格据置」等の表示は、景品表示法上問題となるおそれがあります。

また、消費税率の引き上げに際して、商品の内容量を減らしているなど、その商品の販売価格に影響する要素が同一ではないにもかかわらず、その旨を明確に示さずに行う「価格据置」等についても景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

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実際と異なる値引き率の表示

実際には、その小売業者が過去の販売価格等から消費税率の引き上げ幅又はと一致する率の値引きをしていないにもかかわらず、これらの率を値引きしているかのうような「2%値引き」「10%値引き」等の表示をすることは、景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

二重価格表示

事故の販売価格にその販売価格よりも高い他の価格(比較対照価格)を併記して表示する場合に、税抜きの販売価格との比較対象価格として、税込のメーカー希望小売価格等を用いて表示することは、景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

実際の値上げ率よりも低い値上げ率の表示

消費税率の引き上げに際し、販売価格を消費税率の引き上げも多く値上げするいわゆる「便乗値上げ」が行われていることがあります。

商品の販売価格の設定は事業者の自由であるため、「便乗値上げ」自体は問題となる行為ではありません。

しかし、消費税率の引き上げに際して、事業者の販売価格等について「便乗値上げ」を行ったことにより、実際には消費税率の引上げ分相当額を超えて値上げしたにもかかわらず、消費税率の引き上げ分相当額しか値上げしていないかのような表示をすることは、景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

非課税であると誤認させる表示

消費税が非課税とされる商品又は役務は、土地や有価証券などごく限られているのに、それ以外の商品又は役務について、消費税が課税されていない(非課税である)かのような表示をすることは、景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

免税事業者であると誤認させる表示

免税事業者は消費税の納税義務がないため、消費者にとっては販売者が免税事業者であれば他の課税事業者から商品又は役務を購入するよりも消費税の負担が少なくなります。

しかし、免税事業者でないにもかかわらず免税事業者であるかのような表示をすることは、景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

免税事業者と取引をしていると誤認させる表示

販売者が課税事業者であっても、免税事業者の仕入先と取引をしている場合は、仕入れ価格に消費税が含まれていなくても仕入税額控除を行うことができるため、免税事業者と取引をしていない他の事業者よりも納付税額の計算上有利となり、消費者にとっては、その分商品の販売価格がお値打ちになるだろうと予想されます。

しかし、免税事業者と取引をしていないにもかかわらず、免税事業者と取引しているかのような表示をすることは、景品表示法上問題となるおそれがあります。

 

違反した場合

景品表示法に違反する不当な表示や、過大な景品類の提供が行われている疑いがある場合、消費者庁は、関連資料の収集、事業者への事情聴取などの調査を実施します。

調査の結果、違反行為が認められた場合は、消費者庁は、その行為を行っている事業者に対し不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる「措置命令」を行います。

違反の事実が認められない場合であっても、違反のおそれのある行為がみられた場合は指導の措置が採られます。

また、事業者が不当表示をする行為をした場合、景品表示法第5条第3号に係るものを除き、消費者庁は、その他の要件を満たす限り、当該事業者に対し課徴金の納付を命じます(課徴金納付命令)。

 

消費税転嫁対策特別措置法により禁止される表示

取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示や、取引の相手方が負担すべき 消費税に相当する額の全部又は一部の対価の額から減ずる旨の表示であって 消費税との関連を明示しているものについては、「消費税転嫁対策特別措置法」により禁止されています。

これらの点については、詳しくは以下の記事で解説しています。

 

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