隙間時間を利用して楽しく効率的に消費税の学習トレーニングができる大人気アプリがあることをご存知でしょうか?

そうです、このホームページでご紹介している「消費税法 無敵の一問一答」をはじめとする一問一答シリーズアプリのことでございます。

ところで、「アプリの販売収入って制作者側ではどうやって処理するんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

今回は、スマートホンアプリの販売収入に係る消費税の取扱いについて、iOSアプリとAndroidアプリのそれぞれの違いに触れながら 解説したいと思います。

なお、この記事は2015年10月1日以後の税制改正の最新(2020年現在)の内容に適合しています。

 

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iOSとAndroidとでそれぞれ処理が異なる

スマートホンアプリの販売収入に係る消費税の取り扱いは、「OS(オペレーティングシステム)がiOSかAndroidか」、「購入された場所が日本かどうか」により処理が異なります。

本サイトで紹介している「消費税法 無敵の一問一答」などのアプリでも、ごくまれに、なぜか海外から購入されることあります。海外在住の日本人の方が買ってくださったのか外国人の方が何かの間違いで買ってしまったのかわかりませんが、いずれにせよグローバルにダウンロードされて嬉しい限りです。

しかし、販売収入についての消費税の取引区分については注意が必要となります。

 

AppleとGoogleのアプリの提供形態の違い

Apple社が提供している端末(iPhone・iPad)で動作するアプリのことを「iOSアプリ」、Google社が提供している「Android OS」によって動作するアプリを「Android」アプリといいます。

「iOSアプリ」はApp Store、「Androidアプリ」はGoogle Play Storeからダウンロードすることができるのですが、「iOSアプリ」と「Androidアプリ」の開発者から消費者への契約上の提供形態はそれぞれ異なります。

iOSアプリの提供形態

iOSアプリの場合は、有料販売の契約書において次のような記載があり、アプリ開発者(デベロッパー)は世界各国のAppleの直営代理店にアプリを納品し、その直営代理店を通じて消費者にアプリを配信します。

2. Delivery of the Licensed Applications to Apple
2.1 You will deliver to Apple, at Your sole expense, using the App Store Connect tool or other mechanism provided by Apple, the Licensed Applications, Licensed Application Information and associated metadata, in a format and manner prescribed by Apple, as required for the delivery of the Licensed Applications to End-Users in accordance with this Schedule 2. Metadata You deliver to Apple under this Schedule 2 will include: (i) the title and version number of each of the Licensed Applications; (ii) the countries You designate, in which You wish Apple to allow End-Users to download those Licensed Applications; (iii) any copyright or other intellectual property rights notices; (iv) Your privacy policy; (v) Your End-User license agreement (“EULA”), if any, in accordance with Section 4.2 of this Schedule 2; and (vi) any additional metadata set forth in the Documentation and/or the App Store Connect Tool as may be updated from time to time, including metadata designed to enhance search and discovery of content on Apple-branded hardware.

Apple Developer Program License Agreement - Schedule 2

App Store Connectにビルドしたバージョンをアップロードすることによりアプリを納品することになります。

日本の場合は、東京都に本店があるiTunes株式会社がAgent(代理店)としてアプリを販売します。

iOSアプリの提供形態

Androidアプリの場合

一方で、Androidアプリの場合は、Appleと異なり日本に直営代理店はなく、契約においてアプリの販売はアプリ開発者(デベロッパー)と消費者との間の直接取引とされています。

販売における Google と登録者(デベロッパーや販売者)の役割: 登録者は、以下の国でユーザーに販売するプロダクトのマーケティングを目的として、Google Asia Pacific Pte. Ltd. をマーケットプレイス サービス プロバイダに指定します。Google がマーケットプレイス サービス プロバイダを務めるにあたり、登録者は、当該プロダクトの売買について、登録者とユーザーとの間で直接販売契約が適用されることを了承します。また、登録者は、Google の指定するその他の利用規約も当該ユーザーに適用される場合があることを了承するものとします。

日本を含む東アジア諸国の消費者に対してアプリを配信する場合は、シンガポールに本店のあるGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.をマーケットプレイス サービスプロバイダとしてGoogle Play Storeにアプリを掲載してもらい、Google Play Storeの掲載情報を見た消費者に対し直接アプリを配信することになります。

アプリ開発者(デベロッパー)は、アプリが購入されたら、購入金額の30%(ユーザーが1年以上サブスクリプションを継続利用している場合は15%)の手数料を Google に支払います。

Androidアプリの提供形態

 

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iOSアプリの販売収入に係る消費税の取扱い

iOSアプリの販売収入に関しては、アプリをいったんAppleの直営代理店に納品してから配信していることになるため、消費税法上は著作権の貸付けと考えます。

著作権の貸付に係る国内取引の判定は、著作権の貸付を行うものの住所地が国内にあるかどうかにより行うため、日本のアプリ開発者(デベロッパー)によるiOSアプリの販売はすべて国内取引に該当します。

日本の消費者に販売する場合

iOSアプリを日本の消費者に販売する場合については、デベロッパーの契約書に次のように記載されているとおり、日本のiTunes株式会社に対する著作権の貸付けとなるため、販売収入は課税売上げとなり、消費税が含まれています。

4. Delivery of Licensed Applications to End-Users in Japan
Where You designate iTunes KK to allow access to the Licensed Applications to End-Users in Japan:

4.1 You acknowledge and agree that You have the sole responsibility for: (i) consumption tax output liability, if any, with respect to delivery on Your behalf of Your Licensed Applications to End-Users by iTunes KK; (ii) v11310 January 2020 filing of consumption tax returns and payment of consumption tax to the Japanese government, if applicable; and (iii) determining independently, in consultation with Your own tax advisor, Your taxpayer status and tax payment obligations for consumption tax purposes.

4.2 Commissions charged by iTunes KK to Japan resident developers will include consumption tax.

Apple Developer Program License Agreement - Schedule 2

また、アプリの購入金額から差し引かれる30%の手数料(ユーザーが1年以上サブスクリプションを継続利用している場合は15%)については、国内事業者から受ける電気通信利用役務の提供インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス)であるため、リバースチャージ方式の適用はなく、通常の課税仕入れとして処理します。

設例
日本在住のアプリ開発者(デベロッパー)が日本国内の消費者に対してiOSアプリを10,000円で販売し、Apple社から手数料3,000円が差し引かれた7,000円の入金を受けた。

国内の消費者にiOSアプリを販売した場合の仕訳

国外の消費者に販売する場合

iOSアプリを国外の消費者に販売する場合は、国外のAppleの直営代理店(非居住者)に対する著作権の貸付けとなるため、販売収入は免税売上げとなります。

また、販売収入から差し引かれる手数料については、国外事業者から受ける事業者向け電気通信利用役務の提供インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス)であるため、リバースチャージ方式を適用しなければなりません。

10. Japan Developers – Delivery of Licensed Applications to End-Users Outside Japan
If Your principal or headquarters’ office is located in Japan and You appoint Apple as Your agent or commissionaire for the marketing and End-User download of the Licensed Applications by End-Users located outside of Japan, You shall reverse charge any Japanese consumption tax that is payable on the commissions received by Apple in consideration for its services as Your agent or commissionaire under this Schedule 2.

Apple Developer Program License Agreement - Schedule 2

したがって、Apple社から差し引かれる手数料は特定課税仕入れとして処理します。ただし、課税売上割合が95%以上の場合は、特定課税仕入れはなかったものとして取り扱うため、当該手数料は不課税仕入れとして処理します。

設例
日本在住のアプリ開発者(デベロッパー)が国外の消費者に対してiOSアプリを10,000円で販売し、Apple社から手数料3,000円が差し引かれた7,000円の入金を受けた。

国外の消費者にiOSアプリを販売した場合の仕訳

 

Androidアプリの販売収入に係る消費税の取扱い

Androidアプリの販売収入に関しては、契約上、アプリ開発者(デベロッパー)が消費者に対して直接配信していることになるため、消費税法上はアプリ開発者が電気通信利用役務の提供(インターネット等を介して行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウェアの配信)を行ったものと考えます。

日本の消費者に販売する場合

電気通信利用役務の提供に係る国内取引の判定は、役務の提供を受ける者の住所等が国内にあるかどうかにより行うため、日本の消費者にAndroidアプリを販売する場合は国内取引に該当し、アプリ販売収入は課税売上げとなります。

ただし、Googleから差し引かれる手数料については、国外事業者から受ける事業者向け電気通信利用役務の提供インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトを利用させるサービス)であるため、リバースチャージ方式を適用しなければなりません。

日本を拠点とするデベロッパーの場合
日本を拠点とし、日本のお客様に有料アプリやアプリ内購入を販売する場合、2015 年 10 月 1 日以降、Google Asia Pacific Limited により請求される Google Play 取引手数料は企業間(B2B)取引と見なされます。

デベロッパーは、海外の法人の提供する B2B サービスに課される消費税を算定して日本国税庁に申告する責任を負います。消費税が自動的にアプリの取引手数料に加算されることはありません。

したがって、Google社から差し引かれる手数料は特定課税仕入れとして処理します。ただし、課税売上割合が95%以上の場合は、特定課税仕入れはなかったものとして取り扱うため、当該手数料は不課税仕入れとして処理します。

設例
日本在住のアプリ開発者(デベロッパー)が日本国内の消費者に対してAndroidアプリを10,000円で販売し、Google社から手数料3,000円が差し引かれた7,000円の入金を受けた。

国内の消費者にAndroidアプリを販売した場合の仕訳

国外の消費者に販売する場合

電気通信利用役務の提供に係る国内取引の判定は、役務の提供を受ける者の住所等が国内にあるかどうかにより行うため、国外の消費者にAndroidアプリを販売する場合は国内取引に該当せず、アプリ販売収入は不課税売上げとなります。

また、Google社から差し引かれる手数料については、上記と同様の理由により、リバースチャージ方式の適用が必要となります。

国外の消費者にAndroidアプリを販売した場合の仕訳

 

簡易課税を適用している場合

簡易課税を適用している場合のアプリ販売収入の事業区分は「情報通信業」として第5種事業に該当します。

また、簡易課税を適用している場合はリバースチャージ方式の適用はありません。

 

事業者でない個人がアプリを販売している場合も課税対象となるのか?

消費税は、次の4要件を満たす取引が課税の対象となります。

課税の対象の4要件
① 国内において行うものであること
② 事業者が事業として行うものであること
③ 対価を得て行うものであること
④ 資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること

上記のうち「② 事業者が事業として行うものであること」に該当するかどうかついては、その取引が「反復・継続・独立」して行われるものであるかどうかがポイントとなります。

アプリの配信の場合は、いったんApp StoreやGoogle Play Storeで配信を開始したら、その後ずっと購入可能な状態になるため「反復・継続・独立」して行われるものになります。

したがって、事業者でない個人が趣味で作ったゲームアプリなどを配信する場合であっても「② 事業者が事業として行うものであること」に該当するため、国内取引の要件を満たせば課税の対象となることに注意しましょう。

 

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