geralt / Pixabay

前回の記事では、中間納付額の合計額から消費税額(中間納付額)と地方消費税額(中間納付譲渡割額)の内訳を求める計算式をご紹介しました。

今回は、なぜこのような計算式になるのかご説明したいと思います。

なお、計算式を導出するにあたっては、中高生レベルの数学的な考え方を使います。

また、この計算式は筆者が独自に導いたものになります。少なくとも僕が知る限りでは、この計算式を導出した文献等は見たことがないので、公式として世の多くの人に広めたいと思っています。

 

スポンサーリンク

消費税の中間納付額の計算方法

消費税の中間納付額の計算は、一月中間申告、三月中間申告、六月中間申告の3種類の計算方法がありますが、今回はすでに納付済みの金額の内訳の計算が主題のため、それぞれの詳細な内容の説明は割愛します。

ただし、いずれの計算方法でも、最後に百円未満切捨てて税額を求めます。

百円未満切捨を行うことのみがポイントなので、これだけ押さえておいてください。

 

 

地方消費税の中間納付譲渡割額の計算方法

地方消費税の中間納付譲渡割額は、国税である消費税の中間納付額に(地方税の税率/国税の税率)を乗じて、百円未満の金額を切捨てて計算します。

なお、(地方税の税率/国税の税率)については、税率5%の場合は1/4、税率8%の場合は17/63、税率10%の場合は22/78となります。
地方消費税の中間納付譲渡割の計算でも、百円未満切捨を行うことがポイントとなります。

 

スポンサーリンク

中間納付額を数式で表現する

上記のとおり、消費税額も地方消費税額も「百円未満切捨」を行うことを踏まえて、中間納付額の合計額を数式で表現してみます。

ここで、ガウス記号を使って数式を立てます。

ガウス記号とは、以下のような性質を持つ関数で、床関数、フロアー関数、整数部分などと呼ばれることもあります。

ガウス記号

[ ]で表される関数。ある値を越えない最大の整数値を表す。X を実数,n を整数としたとき、n ≦ X < n+1 ならば,[X]=n である。

例えば,[2.34]=2,[-3.54]=-4。

ガウス記号を用いれば、小数点以下の端数を切り捨てた整数値となるため、これをうまく活用して消費税額と地方消費税額を表現します。

消費税額は百円未満を切り捨てて計算するため、中間納付消費税額の100分の1をXと置いた場合、消費税の納付額は以下の数式で表現できます。

数式

また、地方消費税額は、消費税額に(地方税の税率/国税の税率)を乗じて百円未満切捨を行うため、ガウス記号を用いて次のように表すことができます。

数式

これを踏まえて、税率5%、8%、10%の場合のそれぞれの中間納付額の計算式を求めていきましょう。

 

税率5%の場合の計算式

中間納付額の合計額をA円とした場合、税率5%の場合の中間納付額は以下のように表せます。

数式

これを[X]について解き、[X]=n(n:整数)とおくと、次のようになります。

数式

ガウス記号を用いた関数の、以下の性質を用いて、Xの範囲を求めます。

[X]=n ならば、n ≦ X < n+1である

数式

数式

数式

①と②を同時に満たすXが存在するためのnの条件は以下のようになります。

数式

これをnについて解くと以下のようになります。

数式

消費税額=100[X]=100nであるため、上記不等号の各辺に100を乗じると、消費税額の範囲が求まります。

数式

nは整数であることから、上記条件式の範囲内の100の倍数の金額が、中間納付した消費税額(国税分)の金額となります。

国税の消費税額が求められたら、地方消費税額は消費税額に1/4を乗じて、百円未満を切り捨てて求めます。

したがって、税率5%の場合の中間納付額の消費税額と地方消費税額の内訳は、次の算式で求めることができます。

税率5%の場合
①消費税額(国税)の計算
   中間納付額×4/5+80円(百円未満切捨)
     または
   中間納付額×4/5ー20円(百円未満切上)
地方消費税額(地方税)の計算
   消費税額×1/4(百円未満切捨)

 

税率8%の場合の計算式

中間納付額の合計額をA円とした場合、税率8%の場合の中間納付額は以下のように表せます。

数式

これを[X]について解き、[X]=n(n:整数)とおくと、次のようになります。

数式

ガウス記号を用いた関数の、以下の性質を用いて、Xの範囲を求めます。

[X]=n ならば、n ≦ X < n+1である

数式

数式

数式

①と②を同時に満たすXが存在するためのnの条件は以下のようになります。

数式

これをnについて解くと以下のようになります。

数式

消費税額=100[X]=100nであるため、上記不等号の各辺に100を乗じると、消費税額の範囲が求まります。

数式

nは整数であることから、上記条件式の範囲内の100の倍数の金額が、中間納付した消費税額(国税分)の金額となります。

国税の消費税額が求められたら、地方消費税額は消費税額に17/63を乗じて、百円未満を切り捨てて求めます。

したがって、税率8%の場合の中間納付額の消費税額と地方消費税額の内訳は、次の算式で求めることができます。

税率8%の場合
①消費税額(国税)の計算
   中間納付額×63/80+78.75円(百円未満切捨)
     または
 中間納付額×63/80ー21.25円(百円未満切上)
②地方消費税額(地方税)の計算
   消費税額×17/63(百円未満切捨)

 

税率10%の場合の計算式

中間納付額の合計額をA円とした場合、税率10%の場合の中間納付額は以下のように表せます。

数式

これを[X]について解き、[X]=n(n:整数)とおくと、次のようになります。 数式

ガウス記号を用いた関数の、以下の性質を用いて、Xの範囲を求めます。

[X]=n ならば、n ≦ X < n+1である

数式

数式

数式

①と②を同時に満たすXが存在するためのnの条件は以下のようになります。

数式

これをnについて解くと以下のようになります。

数式

消費税額=100[X]=100nであるため、上記不等号の各辺に100を乗じると、消費税額の範囲が求まります。

数式

nは整数であることから、上記条件式の範囲内の100の倍数の金額が、中間納付した消費税額(国税分)の金額となります。

国税の消費税額が求められたら、地方消費税額は消費税額に22/78を乗じて、百円未満を切り捨てて求めます。

したがって、税率10%の場合の中間納付額の消費税額と地方消費税額の内訳は、次の算式で求めることができます。

税率10%の場合
①消費税額(国税)の計算
   中間納付額×78/100+78円(百円未満切捨)
     または
 中間納付額×78/100ー22円(百円未満切上)
②地方消費税額(地方税)の計算
   消費税額×22/78(百円未満切捨)

 

税率を一般化させた場合の計算式

最後に、税率をさらに一般化させ、国税の税率がα%、地方税の税率がβ%である場合の、中間納付額の国税と地方税の内訳を考えてみたいと思います。

この場合、地方消費税額は消費税額に(地方税の税率/国税の税率)を乗じて百円未満切捨して求めるため、以下のように表すことができます。

数式

中間納付額の合計額をA円とした場合、税率(α+β)%の場合の中間納付額は以下のように表せます。

数式

これを[X]について解き、[X]=n(n:整数)とおくと、次のようになります。

数式

ガウス記号を用いた関数の、以下の性質を用いて、Xの範囲を求めます。

[X]=n ならば、n ≦ X < n+1である

数式

数式

数式

①と②を同時に満たすXが存在するためのnの条件は以下のようになります。

数式

これをnについて解くと以下のようになります。

数式

消費税額=100[X]=100nであるため、上記不等号の各辺に100を乗じると、消費税額の範囲が求まります。

数式

nは整数であることから、上記条件式の範囲内の100の倍数の金額が、中間納付した消費税額(国税分)の金額となります。

国税の消費税額が求められたら、地方消費税額は消費税額にβ/αを乗じて、百円未満を切り捨てて求めます。

したがって、税率(α+β)%の場合の中間納付額の消費税額と地方消費税額の内訳は、次の算式で求めることができます。これで、将来もし税率が改正されても大丈夫です。

税率(α+β)%の場合
①消費税額(国税)の計算
   中間納付額×α/(α+β)+100α/(α+β)円(百円未満切捨)
     または
 中間納付額×α/(α+β)ー100β/(α+β)円(百円未満切上)
②地方消費税額(地方税)の計算
   消費税額×β/α(百円未満切捨)

 

具体的な数値例を用いた計算方法は下記の記事で解説しています。

 

なお、中間納付額の金額によっては、この計算式で計算した結果、消費税額と地方消費税額の合計が中間納付額と一致しない、または、消費税額の金額が一意に定まらないなどの矛盾が起きることがあります。

「計算式が間違っているのでは?」と思うかもしれませんが、そうではありません。

それは、前提となるその中間納付額の金額そのものが誤っているからです。

この計算式が間違っているからではありません。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

 

税務・会計の知識を活かせるオススメの転職サイト

あなたは今の職場の待遇に満足していますか?

今の職場に満足している方も不満がある方も、他社の求人の情報収集をしてみることでキャリアプランの視野は大きく広がります。

キャリアアップの第一歩は情報収集からです。あなたのスキルや経験を今よりも高く評価してくれる会社が見つかるかもしれません。

無料会員登録ができるオススメの転職サイト

数ある転職サイトの中でも、以下の転職サイトは税務・会計の知識を存分に発揮できる求人をたくさん取り扱っています。「今すぐ転職」とはいかなくても、まずは無料会員登録をして日頃から情報収集をしておくだけでも将来の選択肢は大きく広がります。

いずれも限定非公開求人を多く取り扱っているため、併用して広くアンテナを張っておくことをオススメします。

仕事や勉強が忙しくて転職活動に時間を割けないという方は、転職エージェントを活用してみましょう。

 

会計事務所への転職ならマイナビ税理士

大手転職サイトの「マイナビ」が運営する税理士業界に特化した転職サポートサービスです。

税理士有資格者だけでなく科目合格者に対するサポートも充実しており、勉強時間を確保しつつメインの税務業務にも携われる限定非公開求人の紹介を受けることもできます。

税理士業界でスキルアップしたい税理士・科目合格者の方にオススメです!


プレミアムな転職をサポート|管理部門特化型エージェントNo.1【MS-Japan】

楽天リサーチの調査で弁護士・公認会計士・税理士が利用したい転職エージェントNo.1に輝いた業界トップクラスの利用実績を誇る転職サイトです。

専門性の高い職種への転職サポートに特化しているため、スキルに合った最適なキャリアプランの提案を受けることができます。

一般企業の管理部門への転職を考えている税理士・公認会計士有資格者や税理士科目合格者の方にオススメです!

業界最大級の非公開求人数を誇る【リクルートエージェント】

リクルートエージェントでは一般公開している求人の他、企業戦略上一般公開できない重要求人など、10万件以上の非公開求人を取り揃えています。

外資系企業や日経グローバル企業の案件が多く、各業界・各業種に精通したキャリアアドバイザーから希望やスキルに沿った求人の紹介を受けられます。

グローバル企業で税務・会計の知識を活かしたい方にオススメです!

リクルートエージェント

 

 

スカウト登録するだけで企業側からアプローチを受けられる【リクナビNEXT】

職務経歴や希望条件を登録しておくだけで、幅広い業種において圧倒的な求人数を誇る「リクナビ」の提携企業からアプローチを受けることができます。

登録さえしておけば、その後は何もしなくても企業側から声を掛けてもらえるため、自分の可能性を広げるきっかけになります。

税務・会計の知識はどの業界でも必要とされるため、予想外だった業界の優良企業からオファーが届くかもしれません。

今は転職の意向は低いけど、もし良い企業からのアプローチがあれば転職を考えてもいいという方にオススメです!

リクナビNEXT

スポンサーリンク
その隙間時間、もったいないと思いませんか?
アプリ使用イメージ

通勤・通学中などの隙間時間は、有効に使えていますか?1日にしたらたった数十分程度の時間でも、塵も積もれば山となって膨大な時間となります。もし1日30分の隙間時間があったとしたら、1年に換算すると182.5時間になります。これだけの時間を有効活用することができたら、非常に大きなアドバンテージとなります。

消費税法一問一答アプリでは、隙間時間を有効活用して消費税の課否判定のトレーニングができるのはもちろん、アプリケーションプログラムを利用して短時間で多くの問題を解くことができるため、紙ベースの問題集よりもはるかに高い効率性で消費税の学習ができます!

おすすめ記事