駐車場の使用料に消費税はかかる?非課税とされる土地の貸付けとは

車やバイクを持っている方なら、有料の駐車場を利用したことがあるかと思います。

消費税の勉強をしたことがある方は、「土地の貸付け」は非課税取引とされ、消費税がかからないということを聞いたことがあるかもしれません。

では、駐車場の使用料には消費税はかかるるのでしょうか?

今回は、駐車場の使用料についての消費税の取扱いについて解説したいと思います。

 

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駐車場の使用料に消費税がかかるかどうかの判定フローチャート

駐車場の使用料に消費税がかかるかどうかは、以下のフローチャートに基づいて判定を行います。

駐車場の使用料に消費税がかかるかどうかの判定フローチャート

以下、フローチャートの各項目の判定上の注意点について解説いたします。

 

① 貸付未満1ヶ月未満?について

消費税法では、土地の貸付けは原則として非課税取引とされています。

しかし、契約による貸付期間が1か月未満である場合は、非課税となりません。

(土地の貸付けから除外される場合)
第八条 法別表第一第一号に規定する政令で定める場合は、同号に規定する土地の貸付けに係る期間が一月に満たない場合及び駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合とする。

したがって、貸付期間が1か月に満たないような短期間の駐車場の貸付けについては、消費税の非課税取引の範囲から除外されることになります。

(参考)貸付期間は契約によって決まる

土地の貸付期間が1か月未満かどうかは、実際の貸付期間ではなく、契約上の貸付期間によって判定します。

(土地の貸付期間の判定)
6-1-4 令第8条《土地の貸付けから除外される場合》に規定する「土地の貸付けに係る期間が1月に満たない場合」に該当するかどうかは、当該土地の貸付けに係る契約において定められた貸付期間によって判定するものとする。

例えば、貸付期間3週間か月で駐車場用の土地を貸し付けた場合に、明渡が遅れ2ヶ月後に返却を受けたとしても、契約上の貸付期間が1か月未満であるため、非課税取引にはなりません。

詳しくは、以下の記事をご参照ください。

 

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② 駐車場設備があらかじめ設置されている?について

土地の貸付期間が1か月未満であっても、その土地に駐車場設備が設置されているような場合など、施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税とされません。

(土地の貸付けから除外される場合)
第八条 法別表第一第一号に規定する政令で定める場合は、同号に規定する土地の貸付けに係る期間が一月に満たない場合及び駐車場その他の施設の利用に伴って土地が使用される場合とする。

「施設の利用に伴って土地が使用される場合」とは、どの程度までのことをいうのでしょうか?

駐車場が非課税となるかどうかは、次の一覧表のようになります。(下にいくにつれて施設っぽくなくなるように並べました。)

駐車場が「施設」になるかどうか
・機械式立体駐車場 → 課税
・立体駐車場 → 課税
・コインパーキング → 課税
・フェンスや車止めが設置され、アスファルトで舗装された駐車場 → 課税
・アスファルトで舗装され、区画がされている駐車場 → 課税
・アスファルトで舗装されただけの駐車場 → 課税
・更地に砂利を敷き詰め、ロープで区画している駐車場 → 課税
・まったく整備していない更地 → 非課税

なんとほとんど課税されてしまいます!

非課税となるのは、まったく何の整備もしていない完全な更地だけです。

更地に砂利を敷き詰めたり、ロープで区画をしているだけのいわゆる青空駐車場であっても、駐車場としての用途に応じた土地の整備がされている以上、更地を貸付けていたのでなく、駐車場として利用するために土地を貸付けていることになるため非課税とはされません。

青空駐車場の賃貸料の取扱いについては、裁判で争われたこともあります。興味がある方は読んでみてください。→ (平22.3.2、裁決事例集No.79)

借手が更地に施設を設置している場合は非課税となる

駐車場の使用料が課税となるのは、「あらかじめ」駐車場施設が設置されている場合です。

まったく何の整備もされていない更地を賃借し、借手において施設を設置した場合の土地の使用料は、更地の使用料としてひかぜいとなります。

例えば、大型ショッピングモールの経営者が、近所の地主から何の整備もされていない更地を借りて、自己負担でアスファルト舗装や看板、車止めブロック、フェンスの設置をした場合は、その土地の使用料は非課税となります。

 

③ マンションやアパートの家賃に含まれる?について

駐車場が施設の利用に伴って使用される場合であっても、マンションやアパートなどの住宅の家賃に含まれている場合には、その駐車場使用料は非課税とされる住宅の貸付けの対価に含まれ、非課税となります。

ただし、駐車場の使用料が非課税となるのは、次の要件のいずれも満たす場合のみです。

① 一戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている等の場合
② 家賃とは別に駐車場使用料等を収受していない場合

① 一戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている等の場合

車の所有の有無にかかわらず1戸につき1台以上付属する駐車場の使用料は、住宅に対する従属性が強固なものであるため、家賃とは明確に区分されている場合であっても、駐車場の使用料も含めた金額が住宅の貸付けの対価となります。駐車場が入居者の希望により使用するか否か選択できるものである場合は、住宅の家賃とは別物と考えるため、非課税とされないことに注意しましょう。

② 家賃とは別に駐車場使用料等を収受していない場合

駐車場使用料が家賃とは別に徴収されている場合(駐車場使用料の引き落とし日が家賃と別だったり、徴収方法が家賃と異なる場合)についても、住宅の家賃とは別物と考えるため、非課税とされないことに注意しましょう。駐車場使用料が家賃と一緒に徴収されている場合で、上記①を満たしているときは、請求書等で家賃相当額と駐車場使用料相当額が明確に区分されていたとしても、駐車場の使用料も含めた金額が住宅の貸付けの対価となります。

 

なお、上記取扱いについては、消費税法基本通達6-13-3に記載されています。

(駐車場付き住宅の貸付け)
駐車場付き住宅としてその全体が住宅の貸付けとされる駐車場には、一戸建住宅に係る駐車場のほか、集合住宅に係る駐車場で入居者について1戸当たり1台分以上の駐車スペースが確保されており、かつ、自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられる等の場合で、住宅の貸付けの対価とは別に駐車場使用料等を収受していないものが該当する。

 

まとめ

駐車場の使用料については、何の整備もされていない完全な更地として1か月以上の期間使用している場合か、又は、住宅家賃に含まれる場合については非課税とされます。

しかし、これらのケースに該当するのは限定的であるため、駐車場使用料は基本的に消費税が課税されると思っておいて大丈夫でしょう。

 

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